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Thursday, January 21, 2010

【日本のダム】:by Wikipedia
















【出展引用リンク】: http://ja.wikipedia.org/wiki/日本のダム
日本のダム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』





本項目では日本のダム、すなわち日本国内に建設され管理・運用されている
ダムについて、特に治水・利水を目的としたものを中心に扱う。





目次
現在日本において定められているダムの定義は、1964年(昭和39年)に改定された
河川法と、同法の規定により1976年(昭和51年)に制定された政令である河川管理
施設等構造令を根拠としている。
まず、河川法の第2章(河川の管理)-第3節(河川の使用及び河川に関する規制)-
第3款(ダムに関する特則)の第44条第1項では、

河川の流水を貯留し、又は取水するため第26条1項の許可[1]
受けて設置するダムで、基礎地盤から堤頂までの高さが15メートル以上のもの



をダムと定義している(利水ダム)。このため高さ15メートル未満のダムについては、
「ダムに関する特則」の適用対象とならず、「」(せき)として扱われる[2]

次に、河川管理施設等構造令は、
河川管理施設又は河川法第26条第1項の許可を受けて設置される工作物のうち、
ダム、堤防その他の主要なもの
の構造について河川管理上必要とされる一般的技術的基準を定めているが、
第2章(ダム)の第3条で以下の条件を除外したダムについて規定を適用する
としている。すなわち、
  1. 土砂の流出を防止し、及び調節するため設けるダム
  2. 基礎地盤から堤頂までの高さが15メートル未満のダム
以外のダムで、ここでも高さ15メートル以上という河川法第44条第1項と同様の定義が
されている。
ここで言う河川管理施設のダムとは、河川管理者自らが洪水調節など治水目的で設置
するダム(治水を主目的とした多目的ダム治水ダム)であり、河川法では定義がされて
いない。また、「土砂の流出を防止し、及び調節するため設けるダム」は「砂防ダム」と
呼ばれるものである。
世界的なダム基準は、世界88ヶ国が加盟[3]する非政府組織国際大ダム会議
(ICOLD・1928年創立)において堤高5メートル以上または貯水容量300万立方メートル
以上のものをダムと定義するが、そのうち堤高15メートル以上のものをハイダム
それ以下をローダムと定義している。
日本のダム基準はこのうち「ハイダム」のカテゴリーに属するものを指している。
なお、ダムの定義自体は1935年(昭和10年)5月27日に当時河川行政を管轄していた
内務省省令第36号として発令した河川堰堤規則において、既に定められている。
この規則におけるダムの定義は第一条において、土堰堤については基礎地盤から
の高さが10メートル以上、それ以外については基礎地盤から15メートル以上を堰堤、
すなわちダムと規定しており、この時点で高さ15メートル以上の基準が登場している。
ただし現行
の基準と異なるのは型式によってダムの基準を変えている点である[4]
同年6月15日に当時電力行政を司っていた逓信省が省令第18号として発令した
発電用高堰堤規則においても、規則が適用されるダムの基準が基礎地盤から
15メートル以上と定められている[5]。しかしこの時期は多目的ダムなど治水目的
のダムがまだ完成・運用していなかったことや、戦後河川行政が激変したこともあり、
河川関連法規を改定してダムの基準を明確化する必要が生じたこともあり、1964年
の河川法改正・1976年の河川管理施設等管理令制定によってダムの基準が統一
化されている(詳細は河川法を参照)。

除外規定 [編集]

一般に「ダム」と呼称される河川工作物としては河川法・河川管理施設等構造令
で定める「ダム」のほか、砂防ダム、治山ダムおよび鉱滓ダムがある。しかし、
いずれも積極的に河水を貯留する目的を持たないため(砂防ダムの一部では
かんがい目的や水力発電目的を果たすものもあるが、例外的)河川法上のダム
とは見なされない。
このうち砂防ダムについては砂防法によって「堤高7.0メートル以上のもの」が
砂防ダムと規定されており、目的も土石流の抑止に特化されている。管轄部署は
国土交通省
河川局砂防部であり、河川法に基づくダムを管轄する河川局治水課(施工担当)・
河川環境課(管理担当)とは部署が異なる。各都道府県においても同様である。
保安林の維持を目的とする治山ダムに関しては森林法に基づく施設であり、農林
水産省が管轄しているためこれもまた異なる。鉱滓ダムに関しては、廃棄物処理
が目的であるため似て非なるものである。
以下、本項目全般において「ダム」と記したものについては、特に断らない限り
河川法第44条第1項または河川管理施設等構造令第3条の定義に基づくダム
を指すこととし、それ以外のダムと呼ばれる施設については「」「砂防ダム
治山ダム」「鉱滓ダム」の各該当項目を参照されたい。

型式 [編集]

型式の概説はダム#型式一覧を、詳細な解説は各型式のリンクより参照。

日本のダムで採用されているダムの型式は以下の通りである。専門書

では略号で表されることが多い。

地震の多い日本においてはダム型式における耐震理論が世界で最も

進んでいる国の一つである。

なお、数値は2009年現在日本国内における既設・未設のダム

河川法・河川管理施設等構造令

で規程されている堤高15メートル以上のもの)を集計している[16]

数値にはダム再開発事業による

かさ上げなどの再開発を施工しているダムを含み、型式未記入・

不明の11基は除外している。





分類
小分類
略号
基数
G
1,091
HG
13
A
54
GA
12
マルチプルアーチダム(多連式アーチダム)
MA
2
B
6
アースダム(アースフィルダム)
E
1,332
R
301
CFRD
6
FA
15
FC
1
コンバインダム(複合型ダム)
GF
22
CSG
6

利用目的 [編集]

主な利用法としては下記の用途がある。専門書等ではアルファベット
一文字で表記されることが多い。
上水道・かんがい・工業用水の用途は「利水」として総称されることが
あり、降雨や融雪などにより河川流量の豊富な時期(豊水期)に水量
を貯水しておき渇水期において水源として利用する単独目的のものも
多いが、下記のいくつかの目的を兼ね備えるダムもあり、これらは
多目的ダムと呼ばれる。大規模なものが多い。
用途
略号
目的
解説
凡例
F
計画した水量を超えないように、水量を調節し洪水被害を軽減する。詳細は洪水調節を参照。
N
特定された事業者を対象としない用水供給。通常は慣行水利権者が古くより取水していた水量の補給、または河川の正常かつ一定流量を維持することで魚類など河川生態系の保護を目的とする(河川維持放流)。治水のカテゴリに属し、利水の扱いにはならない。このため洪水調節・不特定利水の2目的しかないダムは多目的ダムには該当しない。
特定多目的ダム
補助多目的ダム
水資源機構管理ダム
治水ダム
品木ダム(湯川)
利水
W
上水道用水を確保し、供給する。
笹流ダム(笹流川)
I
臨海工業地帯・内陸工業地域等の工場操業などに欠かせない用水を供給する。
河内ダム(板櫃川)
A
特定の農業促進事業[17]に対して農業用水を供給する。概して新規農地開拓を目的とするため、慣行水利権分の農業用水を供給する不特定利水とは対象農地が異なる。
岩洞ダム(丹藤川)
P
発電出力を調節するために貯水を行い、必要に応じ発電を行う。上流の大規模発電用ダムからの発電用放流を貯留し、下流の河川流量の維持・均等化を図ることを目的とした発電用貯水池・ダムを特に「逆調整池」と呼ぶ。
黒部ダム
奥只見ダム
R
ダムを観光スポーツの目的に使うもの。ボート競技での水位維持、オリエンテーリングなど。日本には現在3ヶ所しかなく、完成・運用されているのは石井ダム(兵庫県)1基のみである[18]
長沼ダム(迫川)
武庫川ダム(武庫川
石井ダム(烏原川)
S
冬季、積雪を溶かす消雪パイプや流雪溝に必要な水量を供給するもの。富山県を中心に北陸地方のダムにのみ限定した目的である。
境川ダム(境川)
城端ダム(山田川)
久婦須川ダム(久婦須川)




概説 [編集]





日本において建設されるダムの目的は多岐にわたるが、主なものとし
ては治水目的(洪水調節・農地防災[6]不特定利水および河川維持
用水)と利水目的(かんがい上水道供給・工業用水供給・水力発電
消流雪用水レクリエーション)に大別される。単独の目的を持つダム
もあれば、複数の機能を併設するダムもある。
前者は治水ダム・かんがい用ダム・発電ダム等とそれぞれの目的を
冠した呼ばれ方をするが、後者は一般に多目的ダムと呼ばれる。


ダムはさまざまな事業者によって計画・調査・建設・管理などが実施
されている。日本においては、政府直轄事業者(国土交通省農林
水産省独立行政法人水資源機構)、地方自治体(都道府県・市町
村)、電気事業者(各電力会社)および一部の民間企業からなる。
戦前は大日本帝国海軍が所管していたダム[7]も存在していた。




多目的ダムについては、政府直轄のダムを「特定多目的ダム
(別名「直ダム」)、地方自治体管理のダムを建設費の国庫補助を受ける
ことから「補助多目的ダム」・「補助治水ダム」(略して「補助ダム」)
と呼ぶ。1988年(昭和63年)には限られた小地域に対する治水・利水を
目的にした小規模な都道府県管理ダムに対して建設費の国庫補助が
受けられる制度も導入された。このようにダムを「小規模生活貯水池」
と呼び、湛水面積も小規模なことから水没補償を最小限に抑制可能と
して最近多く建設されている。
ダムは「河川総合開発事業」・「河川整備基本計画」(国土交通省および
都道府県土木部局)、「水資源開発基本計画」(フルプランとも呼ばれる。
水資源機構)、「土地改良事業」・「かんがい排水事業」(農林水産省およ
び都道府県農林水産部局)に基づいて計画され、建設される[8]
法的には河川法・特定多目的ダム法・河川管理施設等構造令・水源地
域対策特別措置法といった河川行政に直接関連する法律の他、土地
収用法環境影響評価法などの法律に関連する。現在は、法律の他
「公共事業評価委員会」・「河川流域委員会」等の第三者機関からの
評価も受け、合意がなければダム事業(調査・建設等)ができないシス
テムが進んでいる。
現在、日本におけるダムの総数は完成・施工中を合わせたものとして
2つの統計がある。
一つは財団法人日本ダム協会が集計したもので完成2,699箇所、施工
中193箇所の合計2,892箇所。もう一つは社団法人日本大ダム会議が
国際大ダム会議ダム台帳・文書委員会に提出した3,045箇所である[9]
何れが正しいかは不明であるが日本においては約3,000箇所のダムが
建設されていると推測される。

利水ダムの分類 [編集]

ダムの内、洪水調節機能を持たない利水ダムについては河川法第44条
から第51条の「ダムに関する特則」において分類を行っている。これは
洪水調節機能のない利水ダムが集中豪雨台風による洪水において
放流を行った際に、下流への災害を抑止することを目的に定めたもの
である。諸元には表立っては出てこないが、便宜上ここに記載する。
すなわち、利水ダムは洪水の時ダム湖に流入した水量をそのまま調節
せずに放流するのが一般的である。しかしこの操作がダムのない状態
に比べて下流への洪水到達速度を速めることにより下流への被害拡大
を増大させる危険性があり、特に大容量貯水池を擁する水力発電用
ダムでその可能性が高くなる。また土砂運搬の多い河川においては
ダム湖上流部が堆砂(たいさ)で埋まることで河床が上昇、それにより
上流部への洪水被害が増幅するという危険性をはらんでいる。このた
め河川法の規定により利水ダムでは「利水ダムを設置する者は、河川
の従前の機能を維持するために必要な施設を設け、またはこれに
代わる措置をとること」という条項が明記されており、電力会社を始め
とする利水事業者は洪水対策などの措置を採らなければならないとさ
れている。こうした措置を取らなければならないダムの具体的な分類に
ついては、二つ存在する。

河川法施行令による分類 [編集]

一つは河川法と同時に施行された河川法施行令(昭和40年2月11日
政令14号)第1章第23条において定められており、これにはダムの
設置状況に応じた形で「河川の従前の機能を維持するために必要な
施設・措置」を取らなければならないとされる。以下の説明は条文の
原文を基に解説する。
分類
ダムの種類
洪水時の対策(施行令第24条に拠る)
第一号ダム
洪水吐ゲートを有するダムで、ダムによって形成されるダム湖の湛水区間の総延長[19]が10キロメートル以上であるもの。
ダム設置に伴い上流における河床・水位の上昇により災害が発生するおそれがある場合、ダムの管理者は必要に応じて堤防の新改築、盛土、河床浚渫、貯水池末端(上流端)における自然排砂を促進させるため、予備放流やそれに準じた措置をしなければならない。
ただしダムの設置に伴い下流の洪水流量が著しく増加し、災害が発生するおそれがある場合ダムの管理者はサーチャージ方式、制限水位方式又は予備放流方式のうちいずれかにより、放流に伴う増加流量を調節すること可能な貯水容量を確保しなければならない。
第二号ダム
河川に沿って30キロメートル以内の間隔で建設される二箇所以上のダムにおいてダム湖の湛水区間の総延長のが15キロメートル以上である場合、それら複数のダムのうち、洪水吐ゲートを有するもの。
第三号ダム
第二号に掲げるダム以外のダムで基礎地盤から越流頂までの高さが15メートル以上、すなわち河川法で規定されるダム。
ダム設置に伴い上流における河床・水位の上昇により災害が発生するおそれがある場合、ダムの管理者は必要に応じて堤防の新改築、盛土、河床浚渫、貯水池末端(上流端)における自然排砂を促進させるため、予備放流やそれに準じた措置をしなければならない。
これに基づき施行令第25条から第31条においては雨量観測や放流
操作、放流前の事前連絡など事業者が行うべき条項が定められ、こ
れに基づき事業者は利水ダムにおける洪水時の放流対策を図ること
になっている。ただし具体的なダムの名称までは規定されているわけ
ではない。

河川局長通達による分類 [編集]

もう一つは1966年(昭和41年)5月17日に当時の建設省河川局が実際
の河川管理を行う各地方建設局と都道府県知事に宛てて通達した、
建設省河川局長通達建河発第一七八号がそれである。この通達
においては河川法で規定された「ダムに関する特則」の運用規定をより
細かく定め、河川法第26条の許可を受けて設置される高さ15.0メートル
以上のダム、すなわち利水ダムについて具体的なダム名を挙げて
分類している。分類については前述の河川法施行令第23条を基本に、
放流による下流への影響度、堆砂による上流への影響度、及びゲート
運用など放流操作の複雑さに応じて第一類から第四類までダムを
分類している。
詳細については下記の表に記すが、おおむね第一類は大容量貯水池
を擁する発電専用ダムが、第二類は大河川の中流部に建設されている
ダムが、第三類はゲートの数が多いダムが対象となっている。なお第四
類については小規模なダムのほか、多目的ダム治水ダムといった洪水
調節機能を有するダムが指定されている。以降、利水ダムは完成後
いずれかの分類に指定されるが、ダムを取り巻く周辺状況の変化に
よっては分類指定が変更されることがある。例えば静岡県天竜川
建設された秋葉ダムは通達発令当時には第一類に指定されていたが、
現在は第三類に指定が変更となっている。この分類については各事業
者がそれぞれの管理ダムにおける指定状況を把握しているが、日本
全国にあるダム全てを明記した文献は明らかになっていない。
分類
解説
指定ダム
第一類ダム
設置に伴い通常時に比べて洪水流下速度の増大などが発生し下流の洪水流量が著しく増加するダムで、結果発生する水害を防止するために増加流量を調節することができると認められる容量をダム湖に確保することで、洪水に対処する必要があるダム。
田子倉ダム(只見川)、御母衣ダム庄川
井川ダム(大井川)、佐久間ダム天竜川
第二類ダム
堆砂によりダム湖上流の河床が上昇したダム、またはダム管理者が貯水池の敷地として所有権を取得した土地面積の広さが十分でないダムで、洪水時にその上流の水位上昇による水害を防止するため、ダム湖の水位を予備放流水位として夏季に事前に放流して水位を下げ、洪水に対処する必要があるダム。
上郷ダム最上川)、新郷ダム(阿賀野川
泰阜ダム天竜川)、平岡ダム(天竜川)
船明ダム(天竜川)、大井ダム木曽川
笠置ダム(木曽川)、荒瀬ダム球磨川)など
第三類ダム
貯水池の容量に比して洪水吐の放流能力が大きいダムか、あるいは洪水吐ゲートの操作方法が複雑であるダムで、ダム湖の水位を予備放流水位として夏季にあらかじめ放流し水位を下げ洪水に対処することが、水害の防災上において適切と認められるダム。
鹿瀬ダム(阿賀野川)、小田切ダム犀川
奥泉ダム(大井川)、秋葉ダム(天竜川)
夜明ダム筑後川)など多くの発電用ダム
第四類ダム
ダム湖の水位を常時満水位(ダム湖が満水になる通常の水位)として洪水に対処しても、放流による流域への影響がなく水害の防災上支障がないダム。
治水目的を持つ全ての多目的ダム治水ダム
大鳥ダム(只見川)、田代ダム(大井川)など
この項目は冒頭に記され、指定ダムについては最後に記されている。
残りの内容についてはおおむね河川法施行令と同一であるが、より
細かい規定がされている。
なお、こうした二つの規定により利水ダムは治水の責任こそないもの
の、多目的ダムなどと連携して洪水調節を行う。例としては2006年
(平成18年)7月長野県を襲った平成18年7月豪雨における犀川
流域の発電用五ダムと特定多目的ダムである大町ダム高瀬川
の連携治水操作がある[20]


事業者(事業主体) [編集]
ダムの建設発注及びダムを管理する事業主。戦後における事業者
としては下記のものが中心となっている。
複数の事業者による共同管理をするものもある。管理が国から地方
自治体に移行したダムもある。
事業主体
主な組織
凡例
北海道開発局開発建設部、地方整備局(東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州)、沖縄総合事務局開発建設部[21]
北海道開発局農業水産部[22]、地方農政局(東北・関東・北陸・東海・近畿・中国四国・九州)、沖縄総合事務局農業水産部[22]
ダム事業部[23]・水路事業部[24]
水資源機構所管ダム一覧
企業局、企業庁、土木部局[25]など
市町村
水道局
電力会社
民間企業




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【引用終わり】以上の通り

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ダム建設の是非

【出展引用リンク】: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%A0%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E3%81%AE%E6%98%AF%E9%9D%9E#.E8.82.AF.E5.AE.9A.E7.9A.84.E8.A6.96.E7.82.B9.E3.81.8B.E3.82.89


ダム事業の損益 [編集]

日本の河川の歴史は治水と利水の歴史でもある。日本は国土が狭く、河川勾配が欧米の大河川に比べ極端に急勾配である。ゆえに降雨は短期間で海に流出する。このため水害の頻度が高いことは疑いの余地がない。逆に水不足に悩まされることも多々あり、全国各地で古来より水争いによる流血沙汰は昭和初期まで続いていた。これらを解決すべく戦後「河川総合開発事業」によるダム建設が盛んに行われてきた。しかし近年ではこうしたダム事業に対して様々な観点から意見が述べられるようになった。ここではその概略を記す。
肯定的視点から [編集]
2009年現在日本各地に建設されているダムは財団法人日本ダム協会調査によれば2,892箇所に上る。だが、日本全国のダムの総貯水容量は約222億立方メートルでアメリカ合衆国にあるフーバーダム(コロラド川)1箇所の総貯水容量400億立方メートルの半分でしかない。水が豊富に見えてそうではない現実がある。
近年の地球温暖化の影響により、全世界的に毎年のように集中豪雨と旱魃が局地的に襲っており、国際連合は「水の危機」を発し懸念を示している。日本においても平成16年7月新潟・福島豪雨、平成16年7月福井豪雨、平成20年8月末豪雨を始め毎年のように日本各地で水害が発生、流域住民の生命・財産を脅かしている。福井豪雨において同じ九頭竜川水系でもダムのある真名川とダムのない足羽川で浸水被害が大きく異なった事例もある。一方1994年・2005年の全国的な大渇水は各地で給水制限を引き起こし、特に大河川を持っているにもかかわらず慢性的に降雨量の不安定な四国地方での渇水は深刻となった。1996年に「細川内ダム建設事業」が事実上中止となった那賀川水系では渇水により100億円規模の経済損失が発生し、その後も連年取水制限が行われている。このような不安定な現状の中、治水整備・水資源の確保はより一層重要となり、ダム事業はとりわけ重要であるとの意見は国土交通省や渇水に悩む地方自治体から発せられている。
一方、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素排出抑制のために化石燃料からの脱却が叫ばれている中、水力発電の再評価も行われている。欧米と異なり原子力発電に対するアレルギーが強い日本において新規の原発建設が困難性を増している中、風力発電・太陽光発電・地熱発電など代替エネルギーの大規模実用化が困難な現状、水力発電への期待は残っている。また、戦前に建設された多くの水力発電ダムはすでに減価償却も完了し、工事費等の債務などを完済しているケースが多い。このようなダムは毎年経常黒字を重ね維持修繕費はその黒字の中から賄われており税金では償却されていない。出力1万キロワット台でも地域の数千世帯分の電力を賄うことが可能で、クリーンかつ経済性に優れた発電法でもある。また揚水発電は夏季の急激な電力消費に即応可能である。こうしたことから治水・利水・エネルギーを総合的に確保できるダム開発に期待する向きも多い。
環境面からは、概して環境破壊の権化として批判される面が大きいダム事業であるが、反面農業用水の取水や天候により特に河川の流況が不安定な夏季において、ダムからの河川維持放流が存在することで常に安定した河川維持流量が確保でき、干ばつによる生物の枯渇を防ぐのに役立つという意見もあり、ダム建設と自然環境変化の因果関係は一概に言えない面がある[1]。1997年(平成9年)の河川法改正において河川環境維持が重要な目的に追加されたこともあり、これ以降電力会社管理ダムを含むほぼ全てのダムについて、河川維持放流を義務付けるなど行政の対応も変わりつつある。
批判的視点から [編集]
ただし、治水目的としてはダムの存在が越流被害を一定以下に抑える効果はあるものの、堤防決壊による被害が大きかった川では堤防の強度が不十分だったのではないかという観点もあり、複合的な要因があることを考慮すると一概にダムがなかったことだけが洪水被害の原因とは言い切れない面もある。また、近年の集中豪雨ではダムの洪水調節機能が計画を超える大幅な洪水に対応できていない現実もあり、ただし書き操作による洪水調節も目立っている。近年の降雨の傾向が「長期間にわたる穏やかな雨」から「短期間に激しい降雨」に移りつつあり(地球温暖化が原因との見方が強い)、ダム建設以前に降水量の分析を始め全てにわたる治水対策の抜本的見直しを図る方が先ではないかという見方もあって、問題を複雑にしている。渇水対策についても、ダムのある川で渇水が発生し、逆にダムのない川で渇水が発生しないという河川もあるなど矛盾した事象もある。洪水・渇水には元来気候的問題が絡んでいることから、ダム事業に批判的な専門家からは洪水・渇水対策としてのダム単体の効果を事業者・流域住民双方が依存・強調することに疑問を呈している。
環境面で考えた場合、ダム建設が周辺の自然環境に直接的な悪影響を与えることを原因に反対であるという意見は天野礼子などダム事業を否定する評論家などの間でいまだに根強い。ダムの存在が河川の生態系を遮断し、生物の交流を妨げるのではないかという意見は自然保護団体など数多く見られるほか、2003年(平成15年)に奈良県の大滝ダム(紀の川)で発生した地すべり(多くの住民が仮設住宅への移転を余儀なくされている)はダム建設時の斜面対策不備が原因ではないかという国土問題研究会などの指摘もある[2]。また、水力発電のクリーン面を強調する事に対しては、こういった施策がCO2削減に大きく寄与するかという点についてダム建設に伴う森林喪失で削減効果が相殺される、逆に森林自体の削減効果が過大評価過ぎなど、様々な議論がある。
ダムに対する反対運動 [編集]

反対運動とその評価 [編集]
ダム建設に対する反対運動は古くから存在していたが以前は河川開発への重要性が最優先であったため、仮に住民側からも強硬な反対があったとしても最終的には不利な補償内容であったとしても妥協せざるを得ず、公共事業の実施において住民の意思などは省みられなかった。一例として1953年(昭和28年)に完成した岩手県の石淵ダム(胆沢川)があり、事業者である内務省[3]の高圧的・強権的な水没住民への態度と二束三文の補償金支払い、そして完成式典に住民を招かなかった報恩意識の欠如という住民軽視の補償交渉が行われた。この件については1963年(昭和38年)に科学技術庁資源局が発行した『石淵貯水池の水没補償に関する実態調査報告』においても批判されている[4]が、『日本の多目的ダム 1963年版』の石淵ダムの項目[5]では「関係者一同少なからず苦心した」の文言で片付けられている。こうした事業者の姿勢と日本国憲法発布以降における国民の権利意識向上もあり、次第にダム建設に対する反対運動が活発化していく。
世間にダム反対運動がクローズアップされたのは、1954年(昭和29年)の「田子倉ダム補償事件」からである[6]。これは当時電源開発が只見特定地域総合開発計画の一環として計画していた田子倉ダムに対し、水没住民が激しい反対運動を展開。これを解決すべく大竹作摩福島県知事の斡旋によって当時としては極めて異例な高額の補償金支払に応じると会社側が発表した事件である。最終的には河川行政を所管する建設省(現・国土交通省)・電力行政を所管する通商産業省(現・経済産業省)等が反発し結局当時の相場に応じた補償金支払で妥結したが、この事件を契機に各地のダム反対運動がこの影響を受け、補償金吊上げを狙って反対運動を激化させるという現象が起こった。だが、これについても生活の糧・基盤を失う水没住民の防衛本能の一環でもあり、やむをえない行動とも言えた。その後も事業者は開発優先の姿勢を崩さず、「円満解決」と表現しながらも土地収用法による強制収用等の半ば横暴な手法が行われていたケースもあった。
これに風穴を開けたのが筑後川水系の松原ダム・下筌ダム建設事業で起こった蜂の巣城紛争である。公共事業と基本的人権の整合性を問うた室原知幸の活動は水源地域対策特別措置法を始めとして従来、目が向けられなかった水没地域の福利厚生・地域振興を推進する契機となり、「住民の同意がない限り、ダム建設は着工されない」という不文律を形成した[7]。漁業権の観点からは強制収用から共生への方向転換がなされ、ノリ養殖に絡む筑後大堰と福岡県・佐賀県の有明海漁業協同組合連合の攻防は、ノリ養殖保護のために筑後川本流のダム連携放流による品質維持という漁連と国の協力態勢構築に繋がった。宮城県気仙沼市に計画されていた新月ダム(大川)は、カキ養殖を生業とする漁業関係者の反対によってダム計画自体が中止されるに至った。さらに北海道の二風谷ダム(沙流川)では、ダム建設に反対する萱野茂らがアイヌ民族の先住性を二風谷ダム建設差し止め訴訟で訴え、札幌地方裁判所の判決[8]でダム建設差し止めは棄却されたがアイヌ民族の先住性が認められた。ダム建設反対運動が契機となって北海道旧土人保護法が廃止、アイヌ文化振興法が制定されアイヌにとっては「先住認定」が国によってなされるという歴史的転機がもたらされた。
近年では公共事業見直しの風潮の中、長野県の田中康夫知事(当時)による「脱ダム宣言」を始め川辺川ダム反対運動等、ダム建設反対活動の勢いは衰えていない。特に徳島県那賀郡木頭村(現・那賀町)に建設省四国地方建設局が計画していた「細川内ダム」(那賀川)は、当時の木頭村長・藤田恵を中心に村全体がダム建設反対運動を展開。20年以上掛けて国・県と対峙した結果1996年(平成7年)に事業計画を事実上中止に追い込んだ[9]。これを契機に日本各地のダム事業が相次いで中止となるなど[10]、影響力は大きかった。こうしたダム反対運動が日本の河川行政の不備を指摘したのは事実であり、そうした流れは漫然とした公共事業継続による歳出超過を削減するという観点で第1次小泉内閣の『骨太の方針』における公共事業総点検へと繋がり、100ヶ所以上のダム事業凍結・中止へと結実した。
また「尾瀬原ダム計画反対運動」が契機となった日本の自然保護運動は日本自然保護協会の結成や環境影響評価法の制定に結実し、環境保護の観点において大規模公共事業と自然保護の整合性を図る重要な法律となって、“公共事業=環境破壊”の構図を修正する転機となった。こうした観点から大規模公共事業の中止が相次いでなされ「宍道湖・中海干拓事業」の中止や「千歳川放水路建設事業」の中止等に結実した。ダム建設も同様で現在は事業者・水源地域・受益者を含む下流関係者の三者による、治水・利水・産業・環境・補償等の総合的な合意が得られることが建設への必須事項となった。住民の意向を軽視し開発最優先だった戦後〜高度経済成長期から比べれば、「住民参加型」という意味では相当改善された。反面、この事がダム建設の長期化を招いたのも事実であるが[11]、事業長期化による負担増に耐えられなくなった地方自治体が計画が遅々として進まないダム事業の参加を離脱する動きが首都圏・京阪神において拡大した。これにより戸倉ダム(片品川)等のダム建設が中止に追い込まれているが、過剰な事業費支出による財政圧迫と下流住民の負担増を考慮した場合、漫然とした歳出抑制を行う観点で改善した事象といえる。
これに加えて、ダムを含む大規模公共事業に絡む行政側と業者間の不透明な関係も、ダム事業に対する批判を強めた。福島県の木戸ダム(木戸川)における建設業者から知事関係者への不当なリベートはその後贈収賄事件に発展し、2006年(平成18年)には当時の知事が逮捕されている。また、いわゆる談合もダム事業の中で行われたこともダム水門落札に絡む水門業者の談合事件(2006年)など、繰り返し発覚している。ただしこれらはダムだけに限った事ではなく、日本の悪しき商慣習に根ざした構造的な問題であるとの指摘があり、「談合決別宣言」を行った裏で談合を繰り返した名古屋市営地下鉄工事談合事件など公共事業全般に及ぶ病理でもある。
米国のダム事情 [編集]
日本のダム反対派に多大な影響を与えたものとして、1995年、組織の予算縮小に迫られていたアメリカ合衆国内務省開拓局の長官だったウィリアム・ピアーズの「アメリカにおいて、ダム建設の時代は終わった」という発言があった。ビアーズは日本弁護士連合会の招聘によって来日した際、上記の趣旨の発言を行った。これが日本のダム反対派を勇気付け、今に至るダム否定の流れを形成している。この講演においてビアーズが述べたのは正確には以下の通りである。
「アメリカではダム建設の時代は終わったという避けがたい結論を得た。最早従来型の大規模な建設プロジェクトを遂行するだけの一般大衆の支援も政治的支援も当てには出来ない。現在遂行されているダム事業は速やかに完成させるが、今後新規の大規模事業が遂行される可能性はほとんどない[12]。」
これが日本で大きな影響を及ぼし、計画中のダムのみならず建設途上のダム事業を中止させるという潮流になっている。では、日本のダム反対派が模範としているアメリカでのダム事業および反対派の動きについてはどうなのか述べる。
アメリカ国内には「アメリカン・リバース」、「フレンズ・オブ・ジ・アース」、「トラウト・アンリミテッド」という河川自然保護団体があり、ダム撤去に精力的に活動している。この3団体は1999年12月に『Dam Remobal Success Story』(ダム撤去成功の物語)という書籍を発行した。これはアメリカ国内におけるダム撤去の統計および具体例を記したものであり、国土交通省もこの書籍を援用しダム反対派へ反論を行っている[13]。この中でアメリカ国内では1999年までに467基のダムが撤去されている。だが、実際においてその9割は国際大ダム会議が定義したハイダムの基準や日本の河川法・河川管理施設等構造令で規定された「ダム」ではなく、堤高15メートル以下の「堰」に分類されたものである。用途も治水・利水というよりは、特に自家発電や観光用としての目的を有するものがほとんどであり、管理主体も民間企業中心である。さらに彼らアメリカのダム反対派は撤去すべきダムの対象について同署のサブタイトルに、『維持管理しても意味のないダムを撤去し、河川をよみがえらせる』とその理念を記している。「フレンズ・オブ・ジ・アース」のジョーン・カントレルは「アメリカではダム撤去は急進的なものではない」と述べている一方で、「(ダム撤去を)全米7万5,000箇所の大ダムに適応すべきとは考えていない。撤去の条件は環境・安全性・経済性の三条件が揃ったときである[14]」とも述べており、何が何でもダム撤去というわけではないとしている。また『Dam Remobal Success Story』には「堆砂などが及ぼす河川環境への負荷を考慮した場合、無闇にダム撤去を進めるべきではない」と安易なダム撤去には警鐘を鳴らしている。
現在のアメリカ政府のダム建設に対する考え方であるが、当の内務省開拓局は「(ビアーズ発言は)別にショックを受けるようなことではない」と延べ、予算と環境への負荷、そして大ダム建設が可能な地点の枯渇を考えれば今後は別の水資源開発の方法を模索すべきだとも述べている。その一方で「ダムを造るかと問われれば『造る』と答える」とダム建設には肯定的である。アメリカでなぜダム建設がセーブされたかであるが、一つは国内にある全ダム数が約7万5,000箇所で日本(約2,800箇所)の約30倍、総貯水容量が約6,148億立方メートルと日本(約222億立方メートル)の約300倍に当たり、水資源開発の緊急性を帯びていないこと、整備水準が高いため補修で事足りていること、さらに河川勾配が緩やかなため治水の問題が低いこと、火力発電が主力であること、などが挙げられる。事実、アメリカでは6,786基のダムにおいて改修事業が行われており、撤去ダムの約15倍の数に当たる。またダム建設が全く新規で行われていないかと言えばそうではなく、国際大ダム会議が1999年に行った調査によれば水不足が頻繁に起こるカリフォルニア州において42基のダムが建設中とされている。
アメリカにおけるダム撤去の代表例として日本でも喧伝されたワシントン州のエルワーダムの場合、1918年の完成直後ダムの一部が破壊し、修繕を行ったものの老朽かも手伝って漏水が続く状況であり、政府が策定したダムの安全基準にも抵触する状態であった。そこに水利権更新問題があり、建設当時から反対していた地元住民がサケ漁業権の復活を求めダムの撤去を主張した。管理しているのは民間企業であったが水利権の更新を求め電力行政を管轄する連邦エネルギー省に申請を行ったが省当局はこれを自然保護とダム安全性の観点から却下。連邦議会の調停もあって1992年にエルワー川環境回復法が制定され、連邦政府が企業に対し補償額2億9,500万ドルを払ってダム撤去が決定した。ダム撤去の決め手となったのは先述した環境・安全性・経済性の三点でエルワーダムが満足する稼働状況にないというのが背景にあり、政府・地元住民・管理者の合意下で撤去が進められている。この点において日本とは正反対の対応である。
その日本ではピアーズの発言の影響を受けダム撤去論が台頭し、熊本県の荒瀬ダム(球磨川)や高知県の家地川ダム(四万十川)の撤去要望が高まっている。ダム撤去による河川再生・漁業環境の良化がその目的であるが、アメリカのように関係各方面の合意形成が取れておらず、流域住民の中でも賛否が分かれている。荒瀬ダムと同規模のエルワーダムでは撤去に係る総費用が1億4,200万ドルと予想されており、財政難にあえぐ日本の地方自治体が捻出できるか不透明である。このため荒瀬ダムは撤去が一旦本決まりになりながら財政的な問題から2008年(平成20年)に撤去は白紙となっている。また、日本でも従来のコンクリートで固めた護岸工事を反省し自然に近い形での河川再生事業を国土交通省や各地方自治体が始めているが、この中で魚類遡上促進のために固定堰や床固工の撤去を実施、さらに千歳川や北上大堰(北上川)などで「自然化工法」と呼ばれる護岸工事を出来うる限り自然の姿に近い形で行う動きが起こっている。アメリカと同様のことは日本でも行われているが、主に行われているのは国土交通省の河川工事が中心であり、ノウハウの不足や事業費が掛かる事もあって財政の厳しい地方自治体では今なお従来の河川事業・護岸工事が行われているケースが多く、今後の課題となっている。
反対運動の問題点 [編集]

極端な反対運動 [編集]
従来の反対運動とは地域活性化のために事業者から有利な補償条件を引き出すことを最終目的にしており、「蜂の巣城紛争」の室原も反対運動と並行して地域活性化策を建設省(当時)と折衝していた。他の水没予定地住民も事業者と折衝を重ね妥結に至るが、ダム建設の必要性は痛感しており断腸の思いを抱きながら「公共の福祉」に殉じたのである。故に、生活基盤に直結する流域住民の反対運動は、真剣勝負そのものである。
ところが、近年では市民団体を中心に「ダム=公共事業=税金の無駄遣い」というやや短絡的とも言える意見で、または蜂の巣城紛争後半期・長良川河口堰反対運動のように強硬的なダム反対運動を展開している風潮がある[要出典]。えてしてダム撤去に固執し他者の意見を徹底的に排除する観念的な独善論に陥る傾向があるとダム推進派から指摘されている[15]。こうした主張は、2003年(平成15年)の「世界水フォーラム」において田中康夫と天野礼子が「脱ダム」についての講演を行った際に会場から「地域事情を勘案しない独善的な論拠」と建設推進の立場に立つ途上国の行政担当者らを中心に激しい反発を浴びたように、地元の推進派の理解を得られていない。また、こうした一部の反対派は地元反対派と異なり地元に根ざした治水・利水代替案を示さないか、あるいは示したとしても論拠となる資料の不備が多く、さらに意見が論破されると感情論で対抗し収拾が付かなくなる例がある(熊本県川辺川ダム問題公開討論会など)。ちなみに国土交通省等は川辺川ダム・足羽川ダム・城原川ダム・サンルダム等でダム代替案を提出し、ホームページで公開する等広く意見を求めることが多くなってきた。
ただし、途上国ではダムをはじめとする国家的プロジェクトに反対する住民に対し国家が圧力を加えている例もある。特に悲惨な一例としてグアテマラに1983年完成したチショイダムで、建設に反対する住民に対する政府の弾圧は軍を出動させる事態となり、1982年にリオ・ネグロの大虐殺という惨事に至った[16][17]。中国では三峡ダム・溪洛渡ダムなど長江の河川開発に関して移転する住民への補償対策が不十分である点が隠蔽されるなど、必ずしも全面的にダム推進にまとまっているとはいえない。また国土交通省のダムに対する意見公開についても「ダム事業を進めるために都合よく書かれただけ」と反対派は否定している。
反対派の多くが問題にしているのは「水余り」と税支出にまつわる利水に関する問題であり(八ッ場ダム・南摩ダム・細川内ダムなど)、治水に対して明確な対案を唱えている反対派は最上小国川ダムや川辺川ダム、サンルダムなどに限られており余り多くはない[要出典]。治水ダム建設を中止に追い込み、その後甚大な水害が発生した場合反対派は果たして責任を担保しうるのか、語られることがないのも問題点の一つと言える[要出典]。
政党の態度 [編集]
ダム事業に対する政党の対応は、各政党によってまちまちであり、政党内に所属している議員の中でもまちまちである。概ね政権与党である自由民主党や国土交通大臣が所属する公明党は「推進」、民主党は「否定寄り」、日本共産党と社会民主党は「反対」である。この部分は政治思想的には「右派・保守=推進」、「左派・革新=反対」と見えるが、実情は必ずしもそうとはいえない。
自由民主党 [編集]
自由民主党は、かつては田中角栄を頂点とした木曜クラブ(田中派)のように建設業界と強い関係を保持した建設族議員が党の中核を占め、かつ『日本列島改造論』の様に総合開発を政権公約にしていたこともあって、ダム事業を強力に推進していた。だが、1990年代以降になると経済不況や財政赤字などの諸事情からその性質は必ずしも維持されず、1996年(平成8年)11月に第2次橋本内閣において建設大臣に就任した亀井静香は持論である「大型公共事業縮小」を政策に反映。宍道湖・中海干拓事業や千歳川放水路建設事業を中止したほか、細川内ダム(徳島県・那賀川)の建設凍結を決定し、後のダム事業中止に道を拓いた。さらに2001年(平成13年)に内閣総理大臣となった小泉純一郎は「聖域なき構造改革」を政権公約に掲げ、計画から十年以上経過しても着工されていないダム事業の中止を決定した。これにより100ヶ所以上のダムが軒並み中止となり、公共事業見直しの総決算となった。なお亀井も小泉も、田中派と熾烈な派閥抗争を繰り広げた清和政策研究会(福田赳夫派)の出身である。
民主党 [編集]
民主党は旧政党や支持母体の違いなどから自由民主党以上に意見が広範となっているが、ダム建設に慎重な姿勢を明確にしている議員は少なからずいる。この中にはかつて自由民主党に所属した議員も含まれる(例えば佐藤謙一郎など)。また支持母体である連合も、必ずしもダム事業に慎重という訳ではなくダム推進の立場を表すこともあり、「保守=推進」・「革新=反対」という従来の構図は崩れてきている。とはいえ、これはダムに限らず公共事業全体を否定的に見る風潮をとらえたものであり、干拓や高速道路整備等と並ぶ大型公共事業の代表格として(多大な経費と期間を要する)ダム事業が取り沙汰されているものであるという側面もある。民主党はそのマニフェストの中で八ッ場ダムと川辺川ダムの中止および計画中のダム全ての即時凍結を掲げるなど、現在政党としてはダム事業に否定的な姿勢を示している。
日本共産党 [編集]
日本共産党は「無駄な公共事業ストップ」「社会福祉に重点を」という政策を掲げ国会議員・都道府県議会議員・市町村議会議員の全てが一切のダム事業に反対している。田中康夫が長野県知事時代に進めていた「脱ダム宣言」にも全面的賛意を示し、各地のダム予定地を視察して問題点の洗い出しを行っている。行政のチェック機能としての共産党のポジションは政権与党である自由民主党も評価しているが、その反面で意見が硬直化しすぎる指摘もある。例えば足羽川ダム(福井県・足羽川)の場合、2004年の福井豪雨による足羽川流域の水害以降地元の建設要望が高まり、福井県をはじめ福井市・坂井市・南越前町などの被災自治体と被災住民、さらにダムによって水没する池田町と町議会・水没住民がダム建設を要望・容認しているにも拘らず、共産党だけ頑なに反対するという状況となっている。同様の例は村井仁長野県知事が「脱・脱ダム宣言」で計画再開に動き出した穴あきダム・「浅川ダム」(浅川)において、自民・公明・民主・社民各党が賛成するのに対して反対を貫いている。ただし、実質穴あきダムと同様であった田中康夫案(河道内遊水地)には反対していない。
また共産党の場合、その多くにおいて具体的なダムの代替案を示さずに反対しているという指摘もある。共産党のダム反対姿勢は戦後書記長であった徳田球一から連綿と続いているが、徳田の場合は多少異なっていた。徳田は自著である『利根川水系の綜合改革-社会主義建設の礎石』(1952年8月)において建設省が進める利根川水系8ダム計画に「水没地に犠牲を強いる」として反対していた。だが徳田は著書の中で代替案を示し、治水には千葉県我孫子市付近から手賀沼・印旛沼を経由して千葉市花見川区の東京湾に至る「利根川放水路計画」を、利水には利根川・荒川・多摩川を結ぶ大運河計画及び房総半島の各河川を結ぶ運河計画を提案した。建設省や水資源開発公団[18]は後に「利根特定地域総合開発計画」で利根川放水路を計画(後に中止)、武蔵水路・朝霞水路を建設して利根川と荒川を結び、さらに荒川・多摩川間を羽村取水堰(多摩川・羽村市)から狭山湖・多摩湖を経て河水を融通して上水道を首都圏に供給している。また房総導水路を千葉県夷隅郡大多喜町まで建設しているが、これらは徳田の構想に近似している。行政当局が直接徳田の意見を採用したわけではないにしろ、実際の河川行政に通じる対案を呈示したともいえる。しかしそれ以降の共産党は行政を納得させるだけの対案は示せず、反対運動に終始している。なお、ダム事業に関わる国土交通省の地方整備局河川部局や水資源機構の労働組合(国土交通省全建設労働組合、水資源機構労働組合[19])は何れも日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)に加盟しているが、そのナショナルセンターは共産党系の全国労働組合総連合である。すなわち、組合員が支持する政党が、自らの職務であるダム事業を否定しているという奇妙な構図が生まれている。
蜂の巣城紛争後半期には全くの第三者であるはずの労働組合員が大挙して蜂の巣城に入り、左翼的反政府運動を展開して室原知幸ら当事者を困惑させたということもある[要出典]。また共産党はレッド・パージ以降の非合法活動期において、小河内ダム(多摩川・東京都)破壊工作を目的とした山村工作隊の展開活動指示(1952年1月-3月)[20]や、田子倉ダム補償事件における水没住民への思想的扇動[21]を行っている。これは所感派を中心とした「極左冒険主義」の一環でもあったが、当の住民達には何の益ももたらさなかった[要出典]。
地元との意識乖離 [編集]
切望する地元と反対派の対立 [編集]
反対運動の今一つの問題点は、反対運動の過熱化に伴い肝心な水没移転住民・流域住民の意識が取り残されて行くことである[要出典]。反対運動が長期化しダム工事が凍結している間は補償工事・事業も進展することができないため、かえって住民を苦しめることになる。1990年代以降の反対運動は主に地元とは接点が全くない市民団体や活動家が主体であり、地元が容認した事業に反対を唱えてダム事業を遷延化させている。こうした反対運動に対して断腸の決意で故郷を明け渡し、早期の事業推進を願う水没予定地の住民は「何を今更」と反発している。旧徳山村全村が水没した徳山ダム(揖斐川・岐阜県)では補償交渉に従事した複数の旧徳山村住民代表が「環境問題だけを盾にとってダム反対を訴える部外者は許せない」・「あの手ほ反対運動ほど早期完成を願う水没住民の感情を逆なでする者はいない[22]」と口を揃え、八ッ場ダムでは利根川下流の市民団体「八ッ場ダム建設をストップさせる会」が2008年に起こしたダム公金支出差し止め訴訟に対して水没住民の間から非難の声が上がっている[23]。川辺川ダムについても2008年9月に開催された五木村民大会でこうした「後出し反対運動」への批判が集中した。
また、水害に苦しむ流域住民の悲願であったダム事業に対して、反対住民と共に、地元と全く関わりがなく、かつダム問題の専門家でもないメンバーが反対派に加わり、時には反対派の主導的立場となって、結果的にダム事業が中止に追い込まれるなど、問題を必要以上に複雑化させる弊害が発生している[24]。一方で、補償内容が国税が使われているにも関わらず客観的に見て不適切な場合[25]、反発が出るのは必然である。
代表的な例が淀川で見られる。2005年(平成17年)「淀川水系流域委員会」は淀川水系に計画されている5つのダム事業(大戸川ダム・丹生ダム・余野川ダム・川上ダム・天ヶ瀬ダム再開発)の中止を勧告した。水需要の減少がその中止理由であるが治水の有効性に関しては具体的に触れられていない。ただし、同委員会は行政側が選んだ専門家で構成されており、委員が反対運動に加わっているわけではない。これに対し大戸川ダムや丹生ダム、川上ダム建設で移転した住民が「我らの苦労が報われなくなる」と猛反発、水害に悩まされた流域の一部住民もダム建設促進を要望する等答申と地元意識の乖離が鮮明になった。結果的に余野川ダムは計画中止となったが大戸川ダム・丹生ダム・川上ダムは治水中心に目的を再検討する事となった。ただ、ダム反対派の住民らは治水目的のダム建設にも反対する構えを見せており、問題を難しくしている。2008年には橋下徹大阪府知事や嘉田由紀子滋賀県知事など大阪・京都・滋賀・三重の四県知事が大戸川ダム白紙撤回を要求したが、地元大津市はこれに強く反発するなど状況はさらに複雑になっている。ただし天ヶ瀬ダム再開発については京都府は賛成の方向を崩していない。
同様のことは平取ダム(額平川)や川辺川ダム、八ッ場ダムさらには長野県の田中康夫知事(当時)に因る「脱ダム宣言」で中止となった浅川ダムでも見られた。特に浅川ダムについては流域住民のコンセンサスを得ぬまま中止してしまった経緯もあり、長野市や流域住民から批判の声が上がっている。八ッ場ダムでは民主党が示したダム中止マニフェストに対して予定地の長野原町・東吾妻町、長野原町観光協会や川原湯温泉組合などの地元のみならず受益地の石原慎太郎東京都知事をはじめ上田清司埼玉県知事、森田健作千葉県知事、大沢正明群馬県知事が揃って反発している[26]。一方で、川辺川ダム建設に関連した利水事業をめぐる訴訟において、住民の利水計画同意書や反対意見がダム事業を進めたいとする国側に改ざんされていたことが裁判の場で指摘されており、遂にはダム建設に賛成の意思を示していた相良村や推進派の市長が辞任した人吉市が反対に回り、推進派の五木村、八代市、球磨村と対立するなど複雑な様相を呈している[27]。また、推進の立場にたつ行政が「地元住民は建設を望んでいる」と言いながら、実際に新聞社が行った世論調査では建設反対の答えが多かった、ということもある。
ダムを建設するにしても取りやめるにしても「地元住民の意見」を集約する難しさを表している。
上流域と下流域の意見相違 [編集]
また、流域住民の意識と一口に言っても、上流域と下流域で大きく異なることも多い。下流域の住民にとっては、川沿い以外の地域であってもダム建設の影響で水源地整備費用の上乗せという形で水道料金が値上げされることも多く、安定的な水道供給の利便性や治水安全度の向上との比較で考えると、常に諸手を挙げて歓迎できるものとは限らない。他方、治水面や(農業用水をはじめとする)利水面で直接的な恩恵が多い上流域ではダム事業が積極的に推進されることも多く、上流域と下流域で一つのダム事業に対して正反対の意見が見られることも例外的ではない。
例えば愛媛県における山鳥坂ダム(河辺川)でも見られ、2004年(平成16年)に中予分水事業が中止となり多目的ダムから治水専用ダムに計画が縮小されたが、水没住民を含む上流域の住民はダム建設を促進し、下流の大洲市の市民団体は「一坪トラスト運動」を駆使してダム建設反対を訴えている。また、佐賀県の城原川ダム(城原川)では賛成派の下流域住民と反対派の水没住民・一部の流域住民が鋭く対立。署名運動などを行い意見を訴え、遂には合併で誕生した神埼市市長選挙の争点にもなった。さらに吉野川第十堰の可動堰化問題では、下流の徳島市による住民投票が一方的として、上流の板野町・藍住町などが反発をしている。
このようにダム建設においては地元内の意見調整のみならず水没地域・上流受益地と下流受益地、川沿いと高台の住民による意見の整合を図るのが年々難しくなっており、こうした事もダム事業長期化の一端を担っている。だが、『流域住民の許可がなければ、ダムは造れない』という不文律が確固たるものとなっている現在、意見の集約は賛否いずれにしても欠かせないものとなっている。特に、このような例が顕著に見られるのが、滋賀県である。
滋賀県の例 [編集]
滋賀県では、2006年(平成18年)の滋賀県知事選挙で当選した嘉田由紀子が淀川水系ダムの建設計画凍結・見直しを訴え、県内にある施工中のダム六箇所(丹生、大戸川、永源寺第二、栗栖(後の芹谷)、北川第一、北川第二)を凍結もしくは凍結要望した。この中には国土交通省所管の大戸川、水資源機構所管の丹生、農林水産省所管の永源寺第二ダムがあり、国営事業といえども例外なしとして凍結を強く迫った。これは長野県が国土交通省所管の戸草ダム(三峰川)を脱ダムの対象にしなかったのとは異なり、ダム反対派からは喝采を浴びた。
知事の施政方針に対し下流受益地にあたる山田啓二京都府知事や、桝本頼兼京都市長はこれに理解を示し、凍結に対し賛成の意思を送っている。柿本善也奈良県知事(当時)も淀川水系のダム凍結には肯定的であった。財政が苦しい下流自治体にとっては、自らが恩恵を受けるダムの直接的効果と支出するダム建設費用のバランスに苦慮している。一方ダム建設を予定している河川を流域に持つ上流受益地の大津市・彦根市等の県内主要自治体や、丹生ダム建設を切望していた余呉町などの高時川流域住民が反発し、当初の予定通りの計画遂行を求めた。
知事は当初財政的理由からもダム建設に否定的な答弁を議会で行ったが、『治水対策の瑕疵(かし)によって1人でも死者が出たら知事を辞任する』とも発言しており、治水に対する並々ならぬ覚悟を示していた。この間平成18年7月豪雨による長野県の被害もあってか多少柔軟姿勢に転じ、『他に有効な治水対策が無い場合はダム建設もあり得る』として地元との対話を重視する姿勢を見せた。また2007年(平成19年)には従来のダム凍結・見直しの方針はダムを全部否定するものではないとして、凍結を表明した県営ダム三箇所のうち北川第一ダム(北川)や芹谷ダム(芹川)について、治水対策には「有力な案として計画」していく方向となった。
これに対して、マスコミ各社は一斉に「マニフェスト違反」として集中砲火を浴びせた。マスコミの報道については後述する偏向的な報道と指摘する向きもあるが、この政策面の変化については、2007年(平成19年)度予算の採決を控え、県議会で多数派を占める自民党県議やいままでの計画を推進してきた県職員の意向が背後にあった。したがって、知事本人としては後援会の会報では、「凍結・見直しのためにも現在計画されているダム関連予算をつける必要があった」と述べている。2007年での滋賀県議会議員選挙において知事は自身の母体でもある対話でつなごう滋賀の会公認・推薦候補(ダム慎重派・反対派が多い)を応援し、自民党を惨敗に追い込んだ。
その後一時はダム容認に姿勢が傾きかけたが、流域治水対策の進展も踏まえつつ、知事は2007年夏以後は、すべてのダムに関しては慎重姿勢を貫いている。国直轄事業である大戸川ダムに関しても淀川水系全体における判断が必要との下で、京都府知事・大阪府知事とも連携して、国の河川整備計画への意見書を2008年内に提出するとした。 さらに、2008年10月には流域治水対策の成果の反映とも想定されるが、滋賀県内の河川の危険度を分類し、また、河川整備に対する予算が近年激減している現状から、芹谷ダムを中止するという方向性が報道されている。
ダム報道の問題点 [編集]
ダム事業に対して日本で批判一色となってしまった背景にはマスコミの問題点も指摘されている[要出典]。本来行政の不備を広く喧伝するチェック機能を持つはずの新聞・メディアも、こうした脱ダム風潮に加担し、ダムについて中立的視点や正確な情報伝達が不足した報道を行った[28][29][30]。こうした報道も“ダム反対派=善・ダム推進派=悪”の二元論が定着する要因になり、公正な議論が果たし得なくなったと国土交通省やダム専門家から指摘されている[要出典]。加えて、無条件に“ダム事業=「無駄な公共事業」の典型”のように取り上げる事例も多々見受けられ、中には、治水目的という点で共通点はあるものの本来ダムとは趣旨の異なる施設である調整池を「ダム」と称し、なおかつ冒頭から司会者が「ダムはムダ」と発言し視聴者を一方の意見へ誘導する日本テレビ系列の特別番組[31]のような例もある[要出典]。その一方で福井豪雨や福島・新潟豪雨を始めダムの洪水調節機能によって浸水被害が防げたという報道はほとんどされておらず、こうしたことがダムに対する一般国民の認識を偏向させる一因であるとの批判も多い[要出典]。
他方、反対派から見たダム報道の問題点からすれば、生活面への影響ばかりがクローズアップされ、ダム建設の弊害として土砂供給の減少に伴う海岸の侵食被害があることや、生態系への影響があることについては報道ではほとんど触れられていない現状がある点に不満を持つ者も多い[要出典]。川辺川ダム訴訟や永源寺第二ダム訴訟、八ッ場ダムをめぐる対応や、最近では淀川水系流域委員会の問題[32]のように、行政側の姿勢にも問題点があることは否定できない。他方、多角的な情報をほとんど加味せず、単なる反行政としての視点に立った一面的な報道がまかり通っている点も同様に否定できない。
求められるのは不十分・不公正な情報を基にして活動家等が混在して論議する問題の方向のベクトルが歪むことではなく、賛成派・反対派双方の意見・論拠を公平に報道し、流域の利害得失を多角的に分析・検討することである。そのためにはあらゆる機関で意思決定の元となる情報を公開し、開かれた形での議論を進める必要性がある。従って最終的にダム計画の存廃に関しては、事業主体と水源地域住民と下流関係者が、開かれた情報や会議を基にした上での高度な政治的判断を行うことが必要となる。
事業者は根拠のはっきりしたダムの有用性を明確に関係者に伝達することが重要であるが、川辺川ダムにおける住民の意向調査改ざんやサンルダム建設の是非を討議する「天塩川流域委員会」の機能不全が反対派から指摘される等、不十分かつ問題な面も多い。他方反対派の河川開発に対するビジョンが広く一般に見えていない上、ダム事業を中止した河川で治水・利水上の問題が発生しても沈黙し責任を逃れる現状がある。あくまでも流域の利益に叶うように、あらゆる関係者によって結論を導けるようにすることが重要であるのだが、現状はダム推進派・反対派双方ともにまだまだ不十分と言わざるを得ない。
今後のダム建設プロセスの在り方 [編集]

河川開発、特に治水事業に関しては高速道路整備や新幹線整備とは異なり、突発的な災害に対し住民の生命・財産が保護できるか問われる公共事業であり、他とは性質を異にする[要出典]。ゆえに拙速な事業中止はかえって住民の命に係わる可能性もありうる[要出典]。だがダムオンリーで拙速に河川事業を進めるのは「蜂の巣城紛争」の反省を全く生かしてないことになる。従って始めから「脱ダムありき」・「ダムありき」ではなく、山林の土壌流出防止という観点での「治山」・海岸の侵食防止という観点での「海岸保全」そして治水という三位一体かつ総合的な視点から、最小限の犠牲で最大限の効果が期待できる事業を選択しなければならない。
ダムと環境との対策では今後河川整備と環境整備のコラボレーションが必須となる。河口付近の海岸保全の観点や、その他土壌に与える影響では堆砂対策と海岸侵食対策が最も重要となる。両者は連動しており、現在深刻な砂浜の後退が進行している段階では速やかな対策が求められる。可能な限り環境への影響を抑えながら自然に近い流砂サイクルを確立することや、植林を始めとした森林整備による山腹崩壊防止等の治山事業とも連携することも重要である。漁業の観点からは魚道による魚類の遡上モニタリングや濁水対策、ダム湖における漁場整備による流域漁業活性化も視野に入れる必要があるし、その他生態系に対する影響も環境影響評価法に準じて迅速かつ正確に調査することが必要となる。
ただし環境対策を重視する余り災害対策を後手にまわすことは得策ではない。国土交通省が発表した2004年における水害被害額は全国で総額2兆円を超える最悪の損害となっており、特に多目的ダム建設が行われていない、若しくは中止された河川に被害が集中しているという点を踏まえ、ダム建設の是非を含めた河川の整備計画策定は、河川流域全体の利益、あるいは河川環境の観点から捉えていく必要性がある。その上近年では地球温暖化の影響による短期集中型の記録的な集中豪雨が頻発していることから、従来の河川整備計画の根本的な見直しも今後必要になるケースも出てくる。いずれにおいても河川整備は上流域だけ、あるいは下流域だけの視点が反映されるべきではないのは当然のことであり、さらには気候変動と降水量の経年的変化の把握とそれに随伴する計画高水流量(計画限界の洪水流量)の見直しが治水事業においては不可欠となる。利水に関しては人口動態や水道・電力消費量の推移等を細やかに分析し、本当に地元が求める利水事業であるかを再検討しなければならない。さらに補償対策に関してはインフラ整備だけではないより木目細かい水没地域への対策が求められていく。
その点で、流域にとって最適な治水・利水対策を図る必要性が求められる。ダム以外の治水対策としては堤防建設や強化、浚渫、遊水池や放水路の建設、緑のダム構想といった案があるが、単独またはダムを含めた複数のコンビネーション等を、コストパフォーマンスに加え流域の特性・人口動態・過去の水害状況等を分析し、客観的・多角的な視点に立っての検討が必要である。その上でダム事業が妥当であるならば万難を排して事業を進めることが不可欠である。反対にダム建設が不要であれば必要な措置を講じた上で建設を断念すればよい。最も危険なのは、推進にしても反対にしても「一面的である」ということである。ダム推進派とダム反対派の意見対立は流域委員会のような公的なものから2ちゃんねるに至るまで、堂々巡りの主観的な議論になる傾向があり出口が見えにくい。だが、不毛な議論は流域の真の利益には何ら寄与しない。
河川管理は「危機管理」でもあるという視点も踏まえて、何を最優先に守るべきなのか行政は最終的には冷静な判断が求められる。また日本においても遠い将来適切なダム建設予定地が枯渇することは避けられない。このためダム推進派・反対派双方共何れは新しい治水・利水対策を考慮しなければならないことも、事実である。
脚注 [編集]

^ 詳細はダムと環境の項を参照
^ 奥西一夫『奈良県大滝ダム地すべり問題の新しい展開』国土問題研究会、2005年。
^ 事業発足当時。内務省解体後は建設省が事業主体となっている。
^ 『湖水を拓く』p11-13。
^ 『日本の多目的ダム 1963年版』p81。
^ 『電源只見川開発史』p457-470。『電発30年史』p120-121。『日本の多目的ダム 直轄編 1990年版』p90。田子倉ダム、只見特定地域総合開発計画も参照。
^ 文献に見る補償の精神〜蜂の巣城紛争〜:財団法人日本ダム協会 「ダム便覧」
^ 札幌地方裁判所 二風谷ダム土地収用差止訴訟判決文(平成9年3月27日)。事情判決であった。
^ 正式な事業中止は2000年
^ 中止したダムの詳細については中止したダム事業を参照。
^ 長期化しているダムの詳細については日本の長期化ダム事業を参照。
^ 『湖水を拓く』p82。
^ 国土交通省河川局ホームページ『アメリカのダム事情について』
^ 『湖水を拓く』p83-84。
^ 熊本県主催『川辺川ダム住民討論集会発言録』。矛盾を指摘された反対派が感情的に反論したことが記録されている。
^ Guatemala: Memoria del silencio. Caso ilustrativo no. 10 - Masacre y eliminación de la comunidad de Río Negro
^ Chixoy dam
^ 現独立行政法人水資源機構
^ 『水資源開発公団30年史』p356。
^ 土本典昭『「小河内山村工作隊」の記』に詳しい。なお共産党は山村工作隊の存在自体を否定している。
^ 『電源只見川開発史』p457-470。
^ 『湖水を拓く』p39-40。
^ 朝日新聞2008年12月18日付朝刊。
^ 読売新聞2009年7月29日朝刊報道で、上田埼玉県知事がこの問題点を指摘している。
^ 一例として、代替として設けられた公立小学校のプールが温水プールであった。
^ 財団法人日本ダム協会『ダム便覧』八ッ場ダム・ダムニュース
^ 読売新聞2008年9月5日付
^ 朝日新聞による長良川河口堰公開質問状報道
^ 朝日新聞によるダム堆砂報道(2002年11月18日付け朝刊)。
^ 北海道新聞による二風谷ダム報道(2003年8月11日および8月17日付け朝刊)。
^ 2007年1月8日放映「報道特捜プロジェクト "責任者出て来い!"怒り爆発スペシャル」。
^ 国土交通省が十分な説明のないまま自ら選び承認したはずの委員の反発を押し切り活動を停止させた。
参考文献 [編集]

建設省河川局監修・財団法人ダム技術センター『日本の多目的ダム 直轄編 1990年版』山海堂、1990年
30年史編集委員会編『電発30年史』電源開発、1984年
水資源開発公団『水資源開発公団30年史』財団法人水資源協会、1992年
高崎哲郎『湖水を拓く 日本のダム建設史』鹿島出版会、2006年 ISBN4-306-09381-6
建設省関東地方建設局監修・利根川百年史編纂委員会編『利根川百年史』、1987年
国分理編『電源只見川開発史』福島県土木部砂防電力課、1960年
国土交通省河川局ホームページ
アメリカのダム事情について
長良川河口堰に関する朝日新聞社説に対する反論
長良川河口堰に関する建設省と朝日新聞の公開討論
川辺川ダム関連
川辺川ダム住民討論集会発言録 国土交通省九州地方整備局 川辺川ダム砂防事務所
考・川辺川ダム(反対派の視点):熊本日日新聞社
足羽川ダム関連
国土交通省近畿地方整備局 足羽川ダム工事事務所
足羽川の清流を愛する会(反対派)(注・福井豪雨前の主張)
日本共産党福井県委員会 「足羽川ダム見直し要望書提出」
蜂の巣城紛争関連
蜂の巣城紛争概要:大分歴史事典
文献に見る補償の精神〜蜂の巣城紛争〜:財団法人日本ダム協会 「ダム便覧」
室原知幸インタビュー 大分合同新聞社
日本共産党関連
日本共産党長野県委員会(浅川ダムへの反対)
日本共産党香川県委員会(内海ダム再開発への反対)
日本共産党石川県委員会(辰巳ダムへの反対)
脱ダム関連
淀川水系流域委員会について 国土交通省近畿地方整備局
脱ダム宣言全文 長野県ホームページ-脱ダム宣言に対する反論
ダム事業中止関連
(平成15年度末までにおける)中止事業について 国土交通省
(平成16年度末までにおける)中止事業について 国土交通省
再評価結果について 国土交通省河川局
中止事業について(記者発表資料) 国土交通省
中止事業一覧 国土交通省
文献に見る補償の精神〜田子倉ダム〜:財団法人日本ダム協会 「ダム便覧」
水没予定者側からみたダム問題
関連項目 [編集]

ダム
日本のダム
公共事業
市民運動
水源地域対策特別措置法
ダム湖百選
日本の長期化ダム事業
中止したダム事業
田中康夫
嘉田由紀子
佐藤謙一郎
日本共産党-徳田球一
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | ダム | 日本のダム
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Wednesday, January 20, 2010

地球温暖化は人為的か?自然現象か?



【出展リンク】: http://www.youtube.com/watch?v=qH81JZUKUXc

太陽黒点・宇宙線・二酸化炭素濃度」徹底比較!
これでスッキリする

カテゴリ: ニュースと政治

タグ: 太陽黒点活動 江守正多 丸山滋徳 地球温暖化詐欺 宇宙線

古気候



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【引用終わり】以上の通り

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【私のコメント】:


地球温暖化の現象は、氷河の融解や北極、南極の氷解現象やツバル島等の海面上昇に、顕著に現れている。


これらの現象をどのように判断するかの問題である。 


理論、根拠などの解析においては、それの要因が複合していて多種・多数が複合していると考えられるので、複雑で、困難である。


温暖化詐欺などの批判こそ、根拠が乏しい。 

【参考リンク1】:地球温暖化による海面上昇 ~天国に一番近い島、ツバルの危機~

http://subsite.icu.ac.jp/people/yoshino/NSIII2008kadai2_21.pdf

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小氷河期到来か、太陽黒点なしの状態続く。CO2温暖化はどうなった?(2/2)

【出展リンク】:

小氷河期到来か、太陽黒点なしの状態続く。CO2温暖化はどうなった?(2/2)

 http://www.youtube.com/watch?v=p7ZswN_gqIo


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【引用終わり】以上の通り

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小氷河期到来か、太陽黒点なしの状態続く。CO2温暖化はどうなった?(1/2)

【出展リンク】:http://www.youtube.com/watch?v=N8fQpAhCUw0

小氷河期到来か、太陽黒点なしの状態続く。CO2温暖化はどうなった?(1/2)


009年2月2日の日経新聞(12面)
「昨年の気温、21世紀で最低、地球の気候、当面『寒冷化』、自然変動が温暖化抑制? 」

地球の平均気温の上昇が頭打ちとなり、専門家の間で気候は当分寒冷化に向かうとの見方 が強まってきた。
地球温暖化の主因とされる二酸化炭素(CO2)の排出は増え続け長期的には温暖化が続 きそうだが、自然の
変動が気温を抑制するように働き始めたとみられている。気温の推移は、温暖化対策の論 議の行方にも影響
を与えそうだ。

平均気温は1970年代半ば以降ほぼ一貫して上昇。しかし98年をピークにこの10年 間は横ばいないし低下し、
2008年の気温は21世紀に入り最も低かった。この結果、気候変動に関する政府間パ ネル(IPCC)が予測する
気温の上昇カーブとの隔たりが拡大。IPCCは気温が2000~25年に10年あたり 約0.2度のペースで上昇すると
しているが、実際は最近十年で約0.2度下がった。

気温低下の原因として専門家が有力視しているのが、海の自然変動の影響。太平洋では数 十年ごとに水温
が上下する太平洋十年規模振動(PDO)という現象が知られる。PDOの高温・低温期 は、平均気温の上昇・下
降期とほぼ連動。2000年前後にPDOが高温期から低温期に切り替わったと見られて いる。

寒冷化との関係で太陽活動の「異変」も注目されている。米航空宇宙局(NASA)は昨 年9月、「太陽活動が
約50年ぶりの静かさ」と発表。その後も太陽活動は静かな状態が続いている。太陽の日 射量の変化のほか、
太陽磁気の変動が地球の気候に与える影響への関心が高まっている。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/c1120e71b9c5fc04ffe43ea7ac61fa46


カテゴリ: 科学と技術

タグ: 地球温暖化詐欺 二酸化炭素


次(2/2)
http://www.youtube.com/watch?v=p7ZswN_gqIo


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衛星の観測画像から今の地球について考える「融けゆく北極海」

【出展引用リンク】: http://www.youtube.com/watch?v=qxFdnBgkmcw
http://www.youtube.com/user/jaxachannel
File001:融けゆく北極海。
融けゆく北極海の氷・・・。
進行する地球の温暖化による変化を人工衛星は見逃しません。
2007年9月、北極海の氷の面積は、人工衛星による観測が始まって以来、最小となり ました。
カテゴリ: 科学と技術
タグ: JAXA 地球観測 Aqua AMSR-E


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【引用終わり】以上の通り

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【陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるハイチ地震にともなう緊急観測(2)】:宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター

【出展引用リンク】:

http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jdis_pal_haiti_100116.htm

【引用始め】以下の通り
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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるハイチ地震にともなう緊急観測(2)
2010年1月13日(水)午前6時53分頃(日本時間、以下同じ)に中米のハイチで発生したマグニチュード7.0(USGS発表)、震源の深さ約10kmの地震による被害状況を把握するために、宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、1月16日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による緊急観測(2)を実施しました。本観測では、2009年2月28日に取得した同じ軌道からの画像と比較した、被害域抽出及び地殻変動検出を実施しました。「だいち」は当該地域を夜間に南から北へ飛行しながら、震央からやや西の領域を観測しました。
図1:2010年1月16日陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)により観測された地点の全体図。赤枠は図2、青枠は図6の観測領域、赤い星印は本地震の震央位置。
図1: 全体図(数値標高データはSRTM3を使用)(クリックで拡大画像へ)
赤枠は図2、青枠は図6の観測領域を示します。赤い星印は本地震の震央位置を示しています。

1. 被害域抽出
変化抽出解析として二時期(地震前後)のPALSAR強度画像の差分解析を行いました。
図2:地震前(2009年2月28日観測)のPALSAR画像を赤色に、地震後(2010年1月16日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成した変化抽出画像
図2: 地震前後のPALSAR変化抽出画像
(クリックで拡大画像へ)
図2は、PALSARによる地震前後の変化抽出画像です。この画像は、地震前(2009年2月28日観測)のPALSAR画像を赤色に、地震後(2010年1月16日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成しているものです。画像中赤や青に色づいている領域では、2枚の画像が重ならない、もしくは明るさが変化している場合に対応しますので、地震前後に地表に何らかの変化が生じた可能性があります。
図3:地震前(2009年2月28日観測)のPALSAR画像を赤色に、地震後(2010年1月16日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成した変化抽出画像(図2)の拡大図
図3: 変化抽出画像(図2)の拡大図
(クリックで拡大画像へ)
図3は図2で明瞭な変化が見られた地域の拡大図です。地震災害によりレーダの反射が弱くなった場合には赤色に着色した地震前の画像が強調されることになりますので、都市域で赤く見える場所では建物等の倒壊が起こった可能性があります。図7は同じ領域の地殻変動図ですが、明瞭な干渉縞(虹色の縞々)が確認できます。後述するようにこの辺りでは30cm程度の地殻変動(東西方向)があったとみられ、これが建物倒壊に関係した可能性があります。
図4左:グラン・ゴアーブ付近の拡大図(図3中右赤枠)図4右:カラー合成画像
図4左: グラン・ゴアーブ付近の拡大図(図3中右赤枠)、図4右: カラー合成画像
(クリックで拡大画像へ)
図4は、グラン・ゴアーブ付近を拡大した画像で、左図は地震後の強度画像、右図はカラー合成画像です。右図中の市街地において赤く見える点状の部分が多く、地震により建物等が倒壊したことが考えられます。(注: SARでは建物は点状に見えます)
図5左:プティ=ゴアーブ付近の拡大図(図3中左赤枠)、図5右:カラー合成画像
図5左: プティ=ゴアーブ付近の拡大図(図3中左赤枠)、図5右: カラー合成画像
(クリックで拡大画像へ)
図5は、プティ=ゴアーブ付近を拡大した画像で、左図は地震後の強度画像、右図はカラー合成画像です。 上記グラン・ゴアーブに比べて赤く見える部分は少ないのですが、それでも少なからず変化が見られます。

2. 地殻変動検出
地殻変動検出のため、地震前後に取得したPALSARデータの差分干渉解析を行いました。
図6左:地震前(2009年2月28日)と地震後(2010年1月16日)の画像を比較したPALSAR差分干渉画像
図6右:地震後(2010年1月16日)の強度画像

図6左: PALSAR差分干渉画像、図6右: 地震後PALSAR強度画像
(クリックで拡大画像へ)
図6は地震前(2009年2月28日)と地震後(2010年1月16日)のPALSARデータから得られた差分干渉画像(地殻変動図)、図6右は地震後の強度画像を示したものです。
図7:地殻変動画像(図6)の拡大図(図3と同じ領域)。
図7: 地殻変動画像(図6)の拡大図(図3と同じ領域)
(クリックで拡大画像へ)
図7では、震央から西に約20km離れた海岸(図6左)に沿って明瞭な干渉縞が確認でき、矢印の方向に向かって少なくとも3周期=35.4cmの地殻変動があったことが分かります。本地震のメカニズムは主に左横ずれ断層と推定されることから、西向きの水平変動があったと思われます。また図6より、その南側に逆パターンの干渉縞が見えます。
(注1) 図7で、矢印の根元から先に向かって緑→黄→赤→青→緑の色の変化(緑の領域から緑の領域まで、ここまでで1周期=11.8cm。この順番の色の変化は地面が西上空から観測している衛星に近づく変動を表わします)が約3サイクル確認されるため、およそ35.4cmの衛星に近づく地殻変動(西向きの水平変動、もしくは隆起)があったと推定されます。
(注2) 軌道情報は暫定軌道情報(予測値)を用いました。
JAXAでは今後も「だいち」によるハイチ地震に関する観測を継続していく予定です。
©JAXA EORC
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JAXA,EORC宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター
Copyright©1997- JAXA EORC All rights reserved.



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【引用終わり】以上の通り

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【ヒマラヤ氷河を急速に溶かす、都市からの「煤」(動画)】:by WIRED VISION

【出展引用リンク】:

http://wiredvision.jp/news/200912/2009122222.html

【引用始め】以下の通り
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ヒマラヤ氷河を急速に溶かす、都市からの「煤」(動画)
2009年12月22日

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Betsy Mason



Video: NASA/Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio

サンフランシスコ発――黒色炭素(ブラックカーボン)、すなわちディーゼル、薪、石炭などの燃料が燃焼して発生する「煤(すす)」の方が、温室効果ガスよりも気象への影響が大きい場合がある。
ヒマラヤ氷河が1960年代から約20%も縮小しているのには、アジアの都市部から飛来する黒色炭素の影響が考えられるという研究が、12月14日(米国時間)からサンフランシスコで開催された米国地球物理学連合(AGU)の会議で発表された。
米航空宇宙局(NASA)の大気学者William Lau氏らは、衛星のデータとコンピューターモデルを利用し、大気中の黒色炭素濃度の変動(8月〜11月)をアニメーションにまとめた。Lau氏の報告によると、チベット高原西部で氷河がいちばん融解する時期は、同地域で黒色炭素の濃度が最高になる時期と一致しているという。
プレスリリースでLau氏は、「ヒマラヤ地域では、世界全体より温暖化が5倍以上速く進んでいる」と述べている。「この違いにもとづいて、同地域の変動は温室効果ガスが唯一の動因ではないと結論するのは、難しいことではない。局所的な現象が働いているのだ」
黒い煤の粒子は、太陽の光を吸収して周囲を暖めることで、この地域に影響している。まず、黒色炭素がヒマラヤ周辺の大気に取り込まれ、暖かい大気の層が出現する。この層がヒマラヤ山脈を上へと移動した結果、氷河の融解が加速するわけだ。この局地的現象の影響は、温室効果ガスによる地球温暖化の影響を上回っている可能性がある。
[NASAサイトによると、上の動画では、煤が大気中に多い場所が白く表示され、少ない場所は透明な紫色で表されている。サイトトップの画像も同ページより。
以下は、急速な氷河融解によって氷河湖が増加していることを衛星写真で紹介するJAXAの動画]







http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c3/Glacial_lakes%2C_Bhutan.jpg

ブータンの氷河湖。標高4500mのルゲ氷河湖は1994年に決壊して洪水が発生し、約90km下流の古都プナカ(標高1300m)にまで達して被害をもたらしたが、今後も決壊する恐れがあるという。画像はWikimedia


[日本語版:ガリレオ-緒方 亮/合原弘子]

WIRED NEWS 原文(English)

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環境


2009/12/22
kspost2009年12月25日 17:33:48
ちょっと黒くなるだけで、すごく解けやすくなるらしいな。
t298ra2009年12月25日 01:32:52
「温室効果ガスによる地球温暖化の影響を上回っている可能性がある。」
neco22b2009年12月23日 19:46:59
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地球温暖化、原因の第2位は「煤」?2001年2月26日
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【引用終わり】以上の通り

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