https://sv49.wadax.ne.jp/~food-eng-jp/?action_user_view=1&r=KliXZj4wQQ1790
海藻から高効率エタノール生産技術を開発
東北大学農学研究科の佐藤實教授の研究グループと東北電力は、海藻から効率よくエタノールを生産する技術を共同開発した。褐藻に限らず緑藻や紅藻などの海藻全般に応用可能であり、東北電力では発電所に流入する海藻類の有効利用を見込んでいる。
コンブなどの海藻類を小さく切断して酵素で生海藻液状化し、酵母・バクテリアなどを加えて連続エタノール発酵を施すことでエタノールを抽出するという工程。同グループでは最も効率的な手法を見出し、東北大学と東北電力が特許出願した。
これにより、エネルギー消費が大きい乾燥工程と粉砕微粉化工程を要することなく、複雑な成分に合わせて連続多段階発酵工程を行うことで、海洋で最も生産量の多い大型海藻である褐藻類から効率よくバイオエタノールを生産可能だという。
コンブなどの海藻類を小さく切断して酵素で生海藻液状化し、酵母・バクテリアなどを加えて連続エタノール発酵を施すことでエタノールを抽出するという工程。同グループでは最も効率的な手法を見出し、東北大学と東北電力が特許出願した。
これにより、エネルギー消費が大きい乾燥工程と粉砕微粉化工程を要することなく、複雑な成分に合わせて連続多段階発酵工程を行うことで、海洋で最も生産量の多い大型海藻である褐藻類から効率よくバイオエタノールを生産可能だという。
http://www.techakodate.or.jp/center/research_21/Jishu21-1.pdf
雑海藻からの有機酸合成技術の基礎検討
研究のねらい
化石エネルギーの枯渇や炭酸ガスによる地球温暖化問題がクローズアップされ、バイオマスの有効利用
研究や実用化が盛んに行われている。例えば、穀物デンプンを原料とした生分解性プラスチックの合成やバイオエタノールの製造、廃食用油からバイオディーゼルの製造など、カーボンニュートラルの観点から、可能な限り化石エネルギーを使用せずに環境負荷の低減を図る試みが行われている。しかし、生分解性プラスチックやバイオエタノールなどの原料として穀物デンプンを利用することは、生物の食糧とエネルギー原材料が競合することから、食料の価格高騰や食料不足を引き起こす要因となりつつあり、大きな社会問題となっている。そこで本研究では函館地域の沿岸部に広く分布する、アナアオサ、チガイソ等を対象とし、有効活用のため、これら雑海藻から機能性材料原料として利用可能なL-乳酸の実験室レベルでの製造を試みる。また、雑海藻からの有機酸製造過程で生じる残渣の利用についても調査する。
研究の方法
本研究では道南で雑海藻として扱われるアナアオサ、チガイソ等の
(1) 微生物発酵による雑海藻のポリマー原料化
(2) 減量化された材料からポリマーの合成
(3) 残渣の利用調査
の検討を行った。
研究成果の概要
(1)アナアオサ、チガイソなどにはデンプンや多糖が多く含まれるが、静岡大学工学部(現東工大理工学部中崎研究室)とこれらを微生物で分解し乳酸の合成を試みた。その結果、アナアオサ(緑藻)を微生物で糖化発酵により乳酸の生成を確認することが出来た。また、チガイソ(褐藻類)からも有機酸の前駆体となるエタノール生成の可能性を確認することが出来た。また、糖化発酵での乳酸に関しては一部、L・乳酸を選択的に生成する工程も見いだされた。
(2)次に、これら乳酸を生成しポリ乳酸の合成を試みた結果、L・乳酸を生成し高濃度化することでポリ乳酸の合成が確認できた。また、ポリ乳酸の機能性材料を目指した乳酸系共重合体についても合成を行い生成を確認した。
(3)雑海藻の処理後の残渣に関して調査した結果、現時点では、雑海藻残渣もコンポスト化するのがもっとも効果的な方法であった。ただし、通常の堆肥コンポスト化ではバイオマスとして分類される様々な素材、廃棄物と競合するため、雑海藻をコンポスト化する場合には、機能を付与することが必要となる。
担当者 小林孝紀 高村巧 松村一弘 田谷嘉浩 高橋志郎