2010年4月25日日曜日

三菱重工:液化天然ガスの洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(LNG-FPSO)の開発を完了

【出展・引用リンク】:

http://www.mhi.co.jp/news/story/1004204931.html


三菱重工ニュース
2010年4月20日 発行 第 4931号

液化天然ガスの洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(LNG-FPSO)の開発を完了
有力船級協会の設計基本承認(AIP)を取得

 三菱重工業は、液化天然ガス(LNG)の洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(FPSO:Floating Production Storage & Offloading unit)に関する開発を完了し、有力船級協会から2種類の設計基本承認(AIP:Approval In Principle)を取得した。LNG-FPSOは中小海底ガス田開発の活発化に伴い、移動が可能な新しい生産方式として、世界的に需要が高まっている。このため、今回の安全・信頼性に対する評価の獲得を弾みに、世界初の建造を目指して積極的な提案営業を展開していく。
 今回AIPを取得した2種類のうちの一つは、通常のLNG船で多く採用され、安全性と信頼性が立証されているMOSS方式※1の球形タンクを搭載するLNG-FPSOのコンセプトが対象。このAIPは英ロイド船級協会(LRS)から取得した。年間LNG生産量が100万~200万トン級の中規模ガス田開発向けを中心に提案。多くの需要を見込む。
 MOSS方式はこれまで、甲板上に半球が突き出しLNG生産関連設備を設置するスペースが取れないとして、LNG-FPSOには向かないといわれてきた。このため当社では、タンクを大型化することによりタンク数を減少させ、LNG生産関連設備を設置するための平坦なデッキスペースを確保することで、問題を解決した。

 もう一つは、国際海事機関(IMO)が定めた国際規則(IMOガスコード)の要件を満たす独立方形タンクタイプBが対象。このAIPはLRS、米国船級協会(ABS)および日本海事協会の3機関から取得した。年産LNGが300万トン以上のガス田を対象に、手堅い需要を見込む。
 独立方形タンクタイプBは、MOSS方式や、船体自体が支持構造の役目を果たすメンブレン(薄膜)方式※2のタンクと比べコストが高い。半面、MOSS方式に比べデッキスペースが広く取れる。また、MOSS方式同様、メンブレン方式で懸念されるスロッシング(揺動に伴うタンク内液面の周期的なうねり)による衝撃の問題がない。

 FPSOは、浮体上に石油やガスの生産設備や貯蔵施設、積出設備などを備えたもの。石油のFPSOは、油田枯渇の後に他の油田に移設・転用できる利点が評価され、当社を含め建造・納入実績があるが、LNG向けはまだ計画段階にとどまっている。
 LNGの生産はこれまで、陸上ないし比較的沿岸部の大規模なガス田を対象に、陸上の液化基地建設による対応だったが、こうしたガス田開発が一巡。陸地からより遠い大規模海底ガス田や、これまで未開発だった中小ガス田が注目されるようになっている。こうした、存在が確認されているものの未開発となっている“ストランデッドガス田”は、確認可採埋蔵量の4~6割を占めるといわれ、LNG-FPSOが脚光を浴び始めている。

 当社は石油FPSOの建造実績に加え、LNG船などを多数手掛けた造船技術や、海洋構造物関係のノウハウをフル活用。世界的なFPSO保有・運航大手であるBWオフショア社(BW Offshore Limited)とのMOSSタンク方式のLNG-FPSOでの協業も弾みに、独立方形タンクタイプBを使ったLNG-FPSOでも積極的に営業展開することにより、海洋資源開発分野開拓のすそ野を広げていく。

※1 MOSS方式=自立球形タンクを円筒形の支持構造(スカート)により船体に固定した構造。
※2 メンブレン方式=船体内部に防熱材を取り付け、その表面をメンブレン(金属の薄膜)で覆った構造。
担当窓口:船舶・海洋事業本部   
以  上
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