【IBMとサウジアラビアの研究機関、太陽光発電利用の淡水化施設を設立】
【出展リンク1】:
文:Candace Lombardi(Special to CNET News)
翻訳校正:編集部
2010/04/09 13:37
IBMとサウジアラビアの国立研究機関は、太陽光を利用する淡水化施設をアルカフジに設立する。
このパイロット施設は、約10万人分の水を供給し、1日あたり約3万立方メートルの飲用水を生産する予定である。同施設は、太陽光発電による電力のみで稼働し、IBMとサウジアラビアの研究機関King Abdulaziz City for Science and Technology(KACST)が2008年に締結した共同研究に関する複数年契約の下に開発された、2つの画期的な技術が適用されている。
太陽光発電に関しては、同施設は、IBMとKACSTの共同プロジェクトの1つによって開発された超高効率集光型太陽光発電(ultra-high concentrator photovoltaic、UHCPV)セルを使用する。また、IBMのナノテクノロジーグループの1つは、KACSTの科学者らと共同で、逆浸透膜による海水淡水化に使用されるナノ薄膜のための、より優れたナノ構造ポリマーの開発にも取り組んできた。IBMとKACSTが開発したナノ薄膜は、塩分に加え、ヒ素などの有毒物質も除去することができる。IBMによると、このナノ薄膜を使用すれば、今日の多くの淡水化システムで使用される平均的な高圧逆浸透膜システムよりも、かなり消費電力が低くなるという。
このナノ薄膜とUHCPV技術を組み合わせると、淡水化処理のコストが非常に低くなり、IBMのブログ「Smarter Planet」によると、将来的には、「農業用水の生産がコスト的に実現可能」になるかもしれないという。
ナノ薄膜淡水化技術とUHCPV技術を開発したのは、ニューヨーク州とカリフォルニア州にあるIBM Researchと、サウジアラビアのリヤドにあるKACST/IBM Nanotechnology Center of Excellenceの科学者らである。
世界で最も多くの淡水を生産していると主張するサウジアラビアでは、KACSTが、既にいくつかの淡水化プロジェクトを進めている。その目的は、単に飲用水源を提供することだけではなく、浄水技術に関する海外に輸出可能な事業を築き上げることである。
KACSTのバイスプレジデントを務めるTurki Al Saud氏は声明で、「国内に企業集団を築き上げ、この技術や市場を世界中に発信したい」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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【出展リンク2】:
米IBMとKACST、太陽光エネルギーを用いた海水の淡水化を共同研究
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/04/09/021/?rt=na
【出展引用:以下の通り】:
米IBMとサウジアラビア王国の国立研究開発機関であるKACST(King Abdulaziz City for Science and Technology)は4月8日(現地時間)、太陽光発電による電気を動力とする淡水化施設の設立を目的とする共同研究を行うと発表した。
同工場はサウジアラビアのカフジ市に建設され、1日当たり3万立方メートルの生産能力により、10万人分の水を供給する。
同工場は、IBMとKACSTが共同開発した超高効率集光型太陽光発電技術(ultra-high concentrator photovoltaic)を備え、太陽の1,500倍以上の光量を集めることができる集光型太陽光発電システム。
工場内の塩水の脱塩プロセスもIBMとKACSTが共同開発した成果がベースとなっており、水処理ナノ薄膜を用いて塩水の脱塩と汚染物質除去を効果的に行うことができ、他の水浄化方法よりもエネルギー効率が良い。
KACSTの科学者によると、海水の淡水化処理の一般的な方法は熱技術と逆浸透膜法の2種類があり、双方とも1立方メートル当たり2.5~5.5サウジリアルのコストがかかるという。同プロジェクトでは、太陽光エネルギーと新たな水処理ナノ薄膜を組み合わせることで、海水の淡水化処理にかかるコストを大幅に削減することを目指す。
IBMとKACSTが設立する淡水化施設
IBMとKACSTが設立する淡水化施設
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