ノアの箱舟を創ろう Let us Create the Super Ocean-Floating-Structures such as the Noah's ark.

ノアの箱舟を創ろう Let us Create the Super Ocean - Floating - Structures such as the Noah's ark.

Tuesday, August 4, 2009

謎の異常潮位が続く米国東海岸:異常気象との関係は?

謎の異常潮位が続く米国東海岸:異常気象との関係は?
2009年7月31日
【出展引用リンク): http://wiredvision.jp/news/200907/2009073122.html

【引用始め】:以下の通り。



Alexis Madrigal
Image: Flickr/djwhelan
メイン州からフロリダ州までの米国大西洋岸で、潮位が予想より高くなる現象が続いている。6月中旬のピーク時には、潮位が予想よりおよそ60センチ高くなる場所もあった。
科学者らはこのような現象を目にしたことがないため、困惑している。ただしこの変化を、氷河の溶解など何か衝撃的な出来事のせいだと決めつけることも、まだ早すぎる。
「大洋はダイナミックなものであり、こうした異常現象が起こることは珍しいことではない。だが、この現象の範囲の広さ、それに潮位の高さと期間の長さはこれまでにないものだ」とMike Szabados氏は言う。同氏は、米海洋大気局(NOAA)で潮位・潮流研究プログラムの責任者を務めている。
現段階では、予想外の潮位の急上昇は収まってきている。東海岸全域にこの現象が及ぶことは少なくなり、今では中部大西洋岸の各州にのみ集中発生している。
Szabados氏によれば、異常に高い潮位をもたらしている要因は主に2つ考えられるという。1つめは、この異常現象が発生している間、北東から絶え間なく風が吹いていたこと(風力は普段と変わりなかったが絶え間なく続いていたことが原因)、2つめは、フロリダ州から海岸沿いにやって来る海流が弱かったことだ。これらの現象と潮位に関連性があるという説は興味深いが、これで予想外の潮位の現象を十分に説明できるかを判断するのはまだ早いと同氏も認めている。
さらに大きな謎は、北東からの風がなぜ突然発生し、大西洋沿岸を流れる海流がなぜ弱まるのかということだ。これはめったにない偶然の一致なのだろうか、データの誤差なのだろうか、それとも長期的な傾向やサイクルなのだろうか。
バージニア海洋科学研究所のJohn Boon海洋学名誉教授は、太平洋地域で起こっているエルニーニョ現象の天候パターンに結びつく長期的かつ世界的な傾向の一部である可能性を指摘している。
「これらの現象の10年サイクルを比較してみたところ、10年サイクル中に起こった潮位の上昇の一部は、エルニーニョ現象と同時に起こっていることがわかった。どちらかがどちらかの原因だというわけではないが、その関連性の度合いはかなり驚くべきものだ」と、Boon名誉教授は語る。
[エルニーニョは、東太平洋の赤道付近で海水の温度が上昇する現象。エルニーニョに伴う海水温の変化は、まずその海域の大気の温度に影響を及ぼし、それが気圧変化となって現われ、大気の流れを変えて、天候を変えて、という具合にして世界中に波及する。日本などの東アジア沿海部では、太平洋高気圧の勢力が弱まって梅雨が長引き冷夏傾向、また冬は暖冬傾向となるほか、熱帯低気圧や温帯低気圧の進路が変わったりする。エルニーニョの「逆」の現象であるラニーニャ現象と交互に現われ、1種の連動システムと考えられている]
ただし、長期的な潮汐パターンを発見するのは難しいとBoon名誉教授は言う。
「この過程は非常に長期的な規模であるため、ハリケーンの予測のような感覚でその接近を探知することはできない。これは、わずかだが持続的なパターンであり、北大西洋全体に影響を及ぼす。何の手がかりも残さずに活動を続けるため、近づいてきて初めて、『おい、海面がいつもより高くなってるぞ』と気づくことになるのだ」とBoon名誉教授は説明する。
Boon名誉教授や他の研究者らのチームは現在、この現象に関するデータを詳細に調べており、年内には論文を発表したいと考えている。一方、Szabados氏は、この潮位の異常がより大きな傾向の一部である可能性を否定してはいないが、結論は出していない。「10年単位の変動の一部であることもあり得るが、関連があると結論するのは早すぎる」
[北米の太平洋岸北西部では、暴風時に記録される大波の高さが年間に最大7センチメートル、平均的な波の高さも30年間に40センチ以上増大しており、理由が不明だという報告を紹介する日本語版記事はこちら
なお、異常潮位の直接の原因は、海流の変動や「暖水渦」とされている。暖水渦とは、渦上の海流を伴って回転している、周囲よりも海水温の高い領域。直径は100〜500kmで、この渦の領域は、周囲よりも海水面が数十cm高くなる。こういった渦は、海流に乗って移動する。日本の太平洋沿岸で多く発生し、特に本州東方沖では親潮と黒潮がぶつかるため、多数の暖水渦や冷水渦が混在することがある]
[日本語版:ガリレオ-佐藤 卓]
WIRED NEWS 原文(English)

No comments:

Translate