2009年8月6日木曜日

【海洋フォーラム 第57回】【「まぐろ資源の管理と今後の動向」】:by 海洋政策財団 2009.1.26

【海洋フォーラム第57回】 2009.1.26  by  海洋政策財団(OPRF)

【「まぐろ資源の管理と今後の動向」】:
講 師:宮部尚純氏((独)水産総合研究センター遠洋水産研究所温帯性まぐろ資源部長)


【出展引用リンク1 :配布資料 pdf 】:
    http://www.sof.or.jp/jp/forum/pdf/57_01.pdf

【出展引用リンク2 :講演要旨 pdf 】: 
    http://www.sof.or.jp/jp/forum/pdf/57_02.pdf


【リンク2:講演要旨】:引用始め、以下の通り。
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第57回 海洋フォーラム 講演要旨 平成21年1月26日
「まぐろ資源の管理と今後の動向」
宮部 尚純
(水産総合研究センター 遠洋水産研究所 温帯性まぐろ資源部長)
主要なまぐろは太平洋クロマグロ、大西洋のクロマグロ、ミナミマグロ、ビンナガ、
メバチ及びキハダと世界に6種が数えられる。また、カツオは厳密にはまぐろではない
が、諸外国ではまぐろとして扱われることが多いので、まぐろ類に加えた。前3者は産
卵域を除いて温帯域に主として分布するが、メバチとキハダは熱帯と亜熱帯域に分布す
る。ビンナガは未成魚が主として温帯域に、成魚は熱帯及び亜熱帯域に分布する。カジ
キ類は熱帯域に主として分布するがメカジキは温帯にも分布する。まぐろ類を漁獲する
漁業は主としてはえ縄、一本釣り、まき網の3つである。後2 者は群を対象に操業する
が、はえ縄は比較的小規模な群れもしくは個体を対象としている。本漁業の一隻当たり
の漁獲量は比較的小さいが、漁獲対象が大型のものが多く、一尾毎に処理されるため質
が良く単価の高い製品となる。
我が国のまぐろ漁業の総生産額は約3200 億円、漁獲量は約50 万トン、輸入を含め
た国民一人当たりの年間消費量は7kg と重要な位置を占める。現在世界のまぐろ漁獲
量は450 万トンであるが、その大部分を占めるのはカツオとキハダである。最大の漁
獲は太平洋で、250 万トンに近い。近年、漁業先進国に代わって開発途上国の漁獲が伸
びており、インドネシア、フィリピン、PNG、エクアドル、イラン、モルジブが10 指
に入っている。
世界にはまぐろに関係した国際条約が5つあり、最も古いものが1950 年に設立され
た全米熱帯まぐろ委員会である。その後大西洋まぐろ類保存委員会、ミナミマグロ保存
委員会、インド洋委員会、最後に中西部太平洋まぐろ委員会が2004 年に設立された。
このうち全米熱帯まぐろ委員会のみが事務局に研究者を雇用しており、他の委員会では
加盟国がそれぞれ研究者を派遣し、資源解析等の研究業務を実施している。行政官会合
での重要な検討事項は資源保存措置(クォータや総許容漁獲量)の決定であるが、近年
はまぐろ類資源のみでなく混獲も含めて、科学データや魚種別漁獲量、貿易統計資料、
漁業からのデータ収集やモニタリングのための委員会によるオブザーバー調査、加盟
国・非加盟国による管理措置遵守状況等、透明性を確保するための事項が増加している。
研究者の主要な業務は、資源の状況や利用について科学的な助言をすることである。
1970年代の後半には200海里体制が確立され、1982年に国連海洋法条約が締結された後、
幾つかの問題が残り、関係者による紛争や不満が募った。特に資源がEEZ内と公海にま
たがる種については、両方の水域を同時に管理する必要があること、資源が枯渇または
乱獲状態となるケースが後を絶たなかったため、これらの資源管理のための規範が「高
度回遊性魚類と公海と排他的水域内のまたがり資源に関する国連協定(UNIA)」とい
う形で1995年に締結された。本協定には今までにない重要で新しい概念が取り込まれ、
特に資源の永続的利用、対象種のみでなく関連種や依存種等の保存、予防的措置の適用、
非加盟国による委員会の管理措置遵守義務、洋上や港内での帰国以外による臨検の容認、
開発途上国への配慮、等が明記されている。まぐろ関係国際委員会においては、設立が
1996年以前であるため、条約での資源管理目標はMSYとなっているが、中西部太平洋
まぐろ委員会は2004年に設立されたためUNIAの精神がそのまま取り込まれた形とな
っており、予防的措置やオペレーティングモデル・MPの適用に向けての動きが一昨年
から開始されている。他の委員会でも、それぞれの管理目標をMSYから広い意味での
最適なものを選択できるよう条約改正の準備が進んでいる。
質疑応答
(質問)
資源管理手続き(MP)は何年後に開発されるか。また、各国が同手続きに同意した場
合、それが漁獲量削減に容易に結びつくか。
(回答)
ミナミマグロ保存条約では、管理手続は既に開発されているが、過剰漁獲などの問題が
噴出。現在新たなものを開発中。1,2年以内に開発されるのではないか。WCPFC(中
西部太平洋まぐろ条約)ではメカジキと、メバチ、キハダ、カツオの2つのケースで実
施することが一昨年から言及されており、今後数年にわたって開発が予定されている。
(質問)
蓄養の扱いについて、漁獲時や出荷時など、どの時点で数えるかの問題がある。国際管
理の中でどう扱われていくか。
(回答)
蓄養中の死亡等全ての死亡を考慮する必要がある。ミナミマグロについては、イケスに
入れた魚の大きさは手釣りでサンプリングされているが、蓄養後に水揚げされたものと
比較するとより大型の個体が多くなっており、現在行われているサイズサンプリングに
問題があるといわれている。昨年、日豪間でイケスに入れる際の体長測定実験を行い、
かなりの精度で測定できることが判明した。この方法がきちんと適用されれば、かなり
改善される。
(質問)
オブザーバ-調査のカバー率が20%という話があったが、漁船数、漁獲数いずれで見
ているか。
(回答)
どちらでも大きな違いはないと考えている。2割の根拠は、その程度のカバー率があれ
ば混獲種の漁獲の分散(誤差)が実用的な精度で求めることができるため。
(質問)
アダプティブマネジメントを多用したほうが生産的な議論ができるのではないか。
(回答)
その通りだと思う。
(質問)
ICCAT で各国とも義務的な報告を行っていない。過剰漁獲の一因ではないか。
(回答)
漁獲報告が全くないという国はあまりない。一方、開発途上国ではそのような能力がな
い国もあるが、そのような国はまぐろ類の漁獲も少ない。しかし、一部の国では漁獲が
多いが報告に問題がある国もあり、そのような国に対しては、データ収集のための援助
プログラムを持っている。日本、米国、EU などが同プロクラムに資金を拠出し、途上
国のデータ収集をサポートしている。
(質問)
科学委員会と親委員会の関係で、一般的に科学委員会は厳しい勧告をする一方、親委員
会では勧告を遙かに上回る漁獲量で合意することが多い点についてどのように思うか。
(回答)
科学者と行政官では、それぞれに置かれている立場が異なり、科学者は資源の現状のみ
を考慮するのに対し、行政官は社会経済的な要因も考慮するので、意見が違うのは致し
方ないと考える。
以上

【引用終わり、以上の通り】
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