2009年8月10日月曜日

【新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見】:東京大学

マルチナロービームソナーSEABATのエコーグラム
中央の水平ラインが海底、扇の要部分が船底を表す。船底直下に鉛直方向に伸びた輝度の高いラインがメタンハイドレートプルーム。中央より右側のラインもメタンハイドレートプルームを表している。



エコーサウンダー(魚群探知機)が捉えたメタンプルーム(気泡の柱)



ベニズワイガニの手前の小さな孔からメタンが噴出



図15:調査に使用した無人探査機「ハイパードルフィン」



図14:2005年8月の調査で海底下から得られたメタンハイドレート



図13:メタンハイドレート:水が作る籠構造の中にメタン分子を取り込む



海水中を柱状に上昇するメタンハイドレートの気泡。



海中を上昇中でも安定に存在するメタンハイドレート。ハイドレート気泡の一部が崩壊して内部からガスが漏れ、気泡の間をうめている。





位置図 :新潟県上越市沖のメタン湧出調査海域位置



海鷹海脚と上越海丘において、メタンガス噴出とそれに伴うメタンハイドレートの気泡が発見された





【新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見】 :東京大学
                   
          : 2007.3.5 発表


 発表者  松本 良(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 教授)
       沼波 秀樹(東京家政学院大学家政学部 助教授)
       青山 千春(株式会社独立総合研究所 自然科学部長)

【注:このページにある画像・動画を扱う際はクレジットを「東京大学・海洋研究開発機構」と記載してください】


【出展引用リンク1】: 新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見
  http://www.tsukuba-sci.com/index.php?mode=kijiid&id=180   
  
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/info/methane-hydrate.html

   
【出展参考リンク2】: 

    海底から上昇するメタンハイドレートの気泡を発見、撮影に成功
     :東京大学/海洋研究開発機構ほか
     
    http://www.tsukuba-sci.com/index.php?mode=kijiid&id=180

 
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http://get.adobe.com/jp/flashplayer/?Lang=Japanese




動画1:   http://media.s.u-tokyo.ac.jp/fms/fp/methane-hydrate01/

動画2:  http://media.s.u-tokyo.ac.jp/fms/fp/methane-hydrate02/

動画3:   http://media.s.u-tokyo.ac.jp/fms/fp/methane-hydrate03/

動画4:   http://media.s.u-tokyo.ac.jp/fms/fp/methane-hydrate04/


引用:【出展引用リンク1】以下の通り。

【引用始め】:以下の通り。 :  (添付図表や画像は一部削除)

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2007/3/5
新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見
発表者 松本 良(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 教授)
沼波 秀樹(東京家政学院大学家政学部 助教授)
青山 千春(株式会社独立総合研究所 自然科学部長)

※このページにある画像・動画を扱う際はクレジットを「東京大学・海洋研究開発機構」と記載してください

概要
海底から噴出するメタンがただちにメタンハイドレート化し、その後海水中を上昇して、最後は浅層で分解する様子を、世界で初めてビデオ撮影することに成功した。

新潟県上越市沖の海底から600mの高さにまでメタンガス気泡の柱(=メタンプルーム)を噴き出しているメタン噴出孔を潜水艇で調査した。そこでは、メタンは噴出後、直ちにメタンハイドレートに変わっていることが初めて明らかになった。深海底から湧き出したメタンは、通常は海水に溶解し、やがて酸化されて炭酸となるため、メタンとして表層に達することはないとこれまでは考えられている。しかしながら、上越沖では、気泡全体がメタンハイドレート化し、あるいはメタンハイドレートの皮膜で覆われるため、海水に溶けることなく浅海層にまで運ばれることが分かった。このことが、本海域の浅海層のメタン濃度異常の原因と考えられる。今回の発見により、海底下のメタンハイドレートシステムが直接に大気海洋系に影響し得ることが明らかとなった。

なお、この発表は、東京大学、海洋研究開発機構、東京家政学院大学、独立総合研究所、産業技術総合研究所の4つの機関の共同研究であり、共同発表である。

発表内容
背景:
メタンハイドレート(注1)とは、メタンガスと水からなる氷状固体物質で、海底下数100 mの堆積物中や永久凍土中に広く分布していることがわかっている。メタンハイドレートはその中に大量のメタンを蓄えており、石油や天然ガスなどの在来型エネルギー資源に代わる新しいエネルギー資源として注目されている。一方、メタンハイドレートは温度や圧力の変化で容易に分解して大量のメタンを放出するため、地球環境の変動要因としての可能性が指摘される。

調査・研究の目的と概要:
日本海東縁、新潟県上越市沖に位置する“海鷹海脚”(水深900~1,050 mの海底の高まり)上や上越海丘(水深1,000~1,150mの海底の高まり)上には、ポックマーク(注2)と呼ばれる直径数100m、深さ数10mの巨大な窪地が発達し、付近の海底から大量のメタンガスが噴出していることが、エコーサウンダー(計量魚探装置)(注3)やSEABAT(海底測深装置)を用いたこれまでの音響探査で確認されている。噴出メタンガスは気泡の柱として観察され、これをメタンプルームと呼ぶ。

湧出したメタンがその後どのような経過をたどるのかという海水中でのメタンの挙動を知るため、2006年9月、独立行政法人海洋研究開発機構の調査船「なつしま」搭載の無人探査機「ハイパードルフィン」(注4)を使って潜航調査を行った。その結果、(1) 海底の複数の小さな孔から大量のメタンガスが噴出していること、(2) 噴出したメタンの気泡が噴出口から数10cm上昇するうちに白いメタンハイドレート皮膜に覆われ、あるいは球状のメタンハイドレートに変わってゆく様子を確認した。(3) 噴出孔周辺には大規模なバクテリアマット等の化学合成生物群集(注5)が見られ、ベニズワイガニやカイメン類を優占種とした生物群集が存在することも明らかになった。

研究の意義:
環境インパクト:海底から湧出したメタンガスの気泡は海水に溶けて消滅し、あるいは微生物の代謝で消費されるため海洋表層に達することはまれで、大気のメタン濃度の上昇=温室効果に寄与することは殆どないと考えられていた。しかし、今回の発見により、日本海のように冷たい(0.5℃未満)海水中では、メタンの気泡はメタンハイドレートに覆われるため海水に溶け出すことなく浅海にまで達し、一部は大気のメタン濃度の上昇に関与する可能性が指摘できる。

資源インパクト:上越沖では、音波や電気抵抗を用いた物理探査によって、海底下数kmに由来する熱分解起源のメタン(注6)からなるメタンハイドレートが、海底下百数十mの堆積物中に密集して生成していると推定されている。今回の発見により、海底下に発達する熱分解起源メタンハイドレート密集帯とメタンプルームの間に密接な関係があることが分かり、メタンプルーム探査がメタンハイドレート資源探査に有効であることが分かった。

これまでの調査:
2004年7月-8月 海鷹丸UT04航海(東京海洋大学)
東京大学、産業技術総合研究所、独立総合研究所、東京家政学院大学
2004年12月 妙高丸
東京大学、千葉大学
2005年6月 「なつしま」NT05-09航海(海洋研究開発機構)
東京大学、東京家政学院大学、海洋研究開発機構、千葉大学
2005年7月-8月 海鷹丸UT05航海(東京海洋大学)
東京大学、産業技術総合研究所、独立総合研究所、東京家政学院大学
2005年8月 「かいよう」KY05-08航海(海洋研究開発機構)
海洋研究開発機構、東京大学、産業技術総合研究所、独立総合研究所、神戸大学、名古屋大学
2006年7月-8月 海鷹丸UT06航海(東京海洋大学)
東京大学、産業技術総合研究所、独立総合研究所、東京家政学院大学、海洋研究開発機構
2006年9月 「なつしま」NT06-19航海(海洋研究開発機構)
東京大学、海洋研究開発機構、独立総合研究所、東京家政学院大学

今後の課題と計画:
気温や海水温の上昇によるメタンハイドレートの分解が地球環境変動に関与している可能性が指摘されている。しかし、上越沖での研究成果からは、過去数万年の寒冷化(最終氷期)とそれに伴う海水面の低下がの最寒冷期(約2万年前)における寒冷化がメタンハイドレートの分解を引き起こし、逆に大気中のメタンガス濃度を上昇させた可能性を指摘することが出来る示唆する。日本海における冷たい海水中でのメタンハイドレートの分解とメタン放出は、大気環境に直接影響を及ぼすものである。過去のメタンプルーム現象を把握・復元することにより、メタンハイドレートの地球環境へのインパクトを評価できる。一方で、メタンハイドレートシステムの発達は海底下のメタンハイドレート集積を加速するため、過去の大規模分解の前には膨大なメタンハイドレート鉱床が発達していた可能性が指摘される。また、これに関連して、大量に分布する底生生物がどのようにメタンを利用しているかの検討も必要である。メタンプルームが海底下メタンハイドレート鉱床の発達と密接に関係することから、今後はメタンハイドレート資源評価も視野に置く必要がある。これらが、今夏以降の調査の重点課題であり、将来的に地球深部探査船「ちきゅう」などを用いた掘削調査により、日本海のメタンハイドレートシステムの解明を目指したい。

動画ファイル
視聴にはAdobe Flash Playerが必要です。



動画1(45秒) 動画2(30秒)

動画3(10秒) 動画4(29秒)

図表

新潟県上越市沖のメタン湧出調査海域位置
海鷹海脚と上越海丘において、メタンガス噴出とそれに伴うメタンハイドレートの気泡が発見された


エコーサウンダー(魚群探知機)が捉えたメタンプルーム(気泡の柱)
マルチナロービームソナーSEABATのエコーグラム
中央の水平ラインが海底、扇の要部分が船底を表す。船底直下に鉛直方向に伸びた輝度の高いラインがメタンハイドレートプルーム。中央より右側のラインもメタンハイドレートプルームを表している。


海鷹海脚の水深885mの海底で発見されたメタンガス噴出地点。左:ベニズワイガニの手前の小さな孔からメタンが噴出する。右:トラップで集めたメタンの気泡はすべて白いメタンハイドレート皮膜に厚く覆われている。


上越海丘の水深991mの海底で発見されたメタンガス噴出地点。左:ベニズワイガニやカイメン類を優占種とする生物群集が発達する。右:トラップで集めたメタンの気泡はすべて白いメタンハイドレート皮膜に厚く覆われている。


海中を上昇中でも安定に存在するメタンハイドレート。ハイドレート気泡の一部が崩壊して内部からガスが漏れ、気泡の間をうめている。


海水中を柱状に上昇するメタンハイドレートの気泡。


用語解説

図13:メタンハイドレート:水が作る籠構造の中にメタン分子を取り込む


図14:2005年8月の調査で海底下から得られたメタンハイドレート


図15:調査に使用した無人探査機「ハイパードルフィン」


1.メタンハイドレート:
水分子とメタンガス分子からなる氷状の固体物質。温度が低く圧力の高い場所で安定に存在するため、深海堆積物中や永久凍土域に分布する。新しいエネルギー源として期待される一方,地球環境の劇的な変動要因としても注目される。(図13、14)↑
2.ポックマーク:
海底のすり鉢型の窪地。海底からのメタンの爆発的な噴き出しによって形成されるとの説が有力である。上越市沖では直径500 mにも及ぶ巨大なものが認められている。↑
3.エコーサウンダー(計量魚探装置):
海水中に一定の周波数の音を発射し跳ね返ってくる音から,魚群の有無を調べる探査装置。海水中の気泡群の探査にも利用される。↑
4.ハイパードルフィン:
独立行政法人海洋研究開発機構の保有する、水深3,000mまでの潜航調査を可能とする無人探査機。ハイビジョンカメラや様々な観測機器を搭載し、船上から左右のマニピュレーター等を操作し、海底の観察と試料の採取、観測調査を行う。(図15)↑
5.化学合成生物群集:
光合成に頼らず、メタンや硫化水素などから栄養分(有機物)を合成する化学合成細菌を共生・利用することによって、深海底熱水・冷水湧出部に群落を形成する生物群集。二枚貝類やハオリムシ類のように鰓に化学合成細菌を共生させてエネルギーを得るものや、ユノハナガニのように細菌(バクテリアマット)を捕食しているものなどがいる。↑
6.熱分解起源メタン/微生物分解起源ガス:
有機物は地層中で分解されてガスを生産する。海底から~数100 mより浅い地層中では微生物による分解が,深部の高温環境では非生物的に分解する。量的には熱分解ガスの方が多いと予想される。↑
発表雑誌
未定。ただし,次の学会・シンポジウムで口頭発表を予定。

○ ブルーアース’07 3月9日(金) パシフィコ横浜
○ 日本堆積学会2007年例会・総会 3月28日(水) つくばカピオ
○ 日本地球惑星科学連合2007年大会 5月19日(土) 幕張メッセ
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【引用終わり】:以上の通り。

【参考リンク】: http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2007/pressrelease_080328.pdf
【メタンハイドレートからの天然ガス連続生産に成功-メタンハイドレート資源化新手法で世界初の実証】  平成20年3月28日
-NEWS RELEASE www.jogmec.go.jp
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構問合せ先: 広報担当:石油・天然ガス開発
R & D推進グループ 総務企画グループ
   磯部TEL:043-276-9204  今TEL:044-520-8592
http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2007/pressrelease_080328.pdf

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