2010年2月9日火曜日

【死に至るデフレ 地球経済の病弊克服はなるか】 (浜 矩子)

【出展引用リンク】: http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/222.html

【引用:以下の通り】

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死に至るデフレ 地球経済の病弊克服はなるか (浜 矩子)
http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/222.html
HS 222 2010/2/08 21:33:22
投稿者: ダイナモ   

二一世紀の次の一〇年が幕開けした。この一〇年が幕を閉じる時、二一世紀の地球経済は二〇歳になる。ようやく大人だ。どのような大人になっているのか。二一世紀の三ラウンド目の一〇年に向かって、どのような状態で足を踏み出すことになるのだろうか。
まずは、ニラウンド目の冒頭における実態を考えてみよう。「リーマンショック」の呼び名が定着した二〇〇八年九月の金融大激震から、早くも一年余りが経過した。現段階で、地球経済の健康状態をどう診断するか。端的に言って、具合はあまり良くない。三つの症状が気掛かりだ。第一にもとの木阿弥病、第二に自分さえ良ければ病、そして第三に新型デフレ病である。

BISの焦燥-もとの木阿弥病

もとの木阿弥という言い方の由来は、ご存知の通りだ。盲人の木阿弥が、死んだ武将の替え玉を演じさせられる。御用済みとなれば、また元通り。大将軍の身分から、ただの人に逆戻りである。転じて、「いったん良い状態になったものが、再びもとのつまらないさまにかえること。苦心や努力も水泡に帰して、もとの状態にもどってしまうこと」(広辞苑)となる。
リーマンショック後およそ一年の現状が、まことにどうも、このもとの木阿弥そのものに思えてならない。年明け早々、BIS(国際決済銀行)が注目すべき動きに出た。スイスのバーゼルにある同行本部に、世界的な大手銀行の経営幹部たちを呼び寄せたのである。そして、彼らにお灸をすえた。「金融危機発生前にみられたアグレッシブな行動」が再燃しつつあることに警告を発したのである。まさに、元の状態に逆戻りしている、つまりはもとの木阿弥化しているではないか、ということにほかならない。

BlSといえば、「中央銀行たちのための中央銀行」の異名を持つ存在だ。そもそもは、第一次世界大戦後のドイツの戦争賠償を処理するために一九三〇年に設かされた。その役割を終えた後は、世界の中央銀行のための金融・決済機構として活動している。中央銀行同士の情報交換の場としても、重要な場を提供している。調査分析機能もある。いわゆる「BlS規制」が、財界的な金融監督の基本的指針となっていることは良く知られている通りだ。あらゆる意味において、BlSはいわば中央銀行業の総本山なのである。

そのBlSが、世界の主力銀行の責任者たちを呼びつけて、そのもとの木阿弥振りを厳しく諭したのである。これを看過するわけにはいかない。実際に、BlSが現状を憂慮するのは無理もない。アメリカの投資銀行たちは、このところ、まさにかつてと同じ「アグレッシブな行動」で高収益を上げるようになっている。どんどんカネを借り込み、そのカネの高利運用で大きく利ざやを稼ぐやり方が、早くもまた幅を利かせ始めているのである。いわゆるレバレッジ取引だ。このレバレッジのかけ過ぎと、金融証券化手法の濫用があいまって、彼らは今回の危機を引き起こした。それなのに、性懲りもなく、また同じことをやり始めている。まさしくもとの木阿弥というほかはない。
金融機関の行動がもとの木阿弥化すれば、どうなるか。答えは明らかだ。彼らの行状に対して、再び金融恐慌の鉄槌が下ることを覚悟しなければならない。再び金融が激震すれば、それに伴って生産はまたしても縮減する。生産が縮減すれば、雇用が受難する。かくして、カネからモノヘ、そしてモノからヒトヘと、衝撃があっという間に波及する。こんなことを繰り返していたのでは、たまらない。地球経済の屋台骨がボロボロになってしまう。もとの木阿弥病の蔓延は恐ろしい。BISが警告を発するのは当然だ。

ただ、ここで厄介なことが一つある。それは、もとの木阿弥病のウィルスをまき散らしている張本人が、実をいえばほかならぬ国々の中央銀行だということだ。ここが、BISとしても慨梶たるところだ。
BISに呼びつけられた金融機関たちが、いち早く旧弊に逆戻りしてレバレッジを高めるのは、要するにカネ余りで金利が低いからである。然らば、なぜカネ余りなのか。なぜ金利が低いのか。それは、各国の中央銀行がどんどん市中にカネを流し込んでいるからにほかならない。アメリカは事実上のゼロ金利政策を続行中だ。イギリスは、さらにその上を行って量的緩和に踏み切った。日本の二つのお家芸を米英の金融当局がそれぞれ真似して、超低金利と超カネ余り状態を作り出しているのである。これでは、金融機関が大々的にカネを借りて大々的に運用する行動に出るのは、当たり前だ。
現下の状況の中で、各国の通貨当局が金融大緩和に動くのは止むを得ない。生産が大縮減して雇用が大受難している中で、政策が手をこまねいているわけにはいかない。資金調達難で、企業の生産活動が行きづまるのを放置することは出来ない。潤沢な流動性供給に注力するのは、当然の政策対応だ。だが、それをすればするほど、金融機関のもとの木阿弥化を煽ることになる。そして、金融機関のもとの木阿弥病が悪化すればするほど、地球経済が再び次の大不況の谷底に落ちる恐れが強まっていく。この悪循環をいかにして断ち切るか。この課題の悩ましさと、それを目の当たりにしての焦燥感が、BISを金融機関への厳しい苦言提示へと駆り立てたのだろう。
いみじくも、もとの木阿弥の定義に上記の通り「いったん良い状態になったものが、再びもとのつまらないさまにかえること」というのがあった。金融恐慌が起きたこと自体を「良い状態になった」というわけにはいかない。だが、悪い状態にブレーキをかける効果はあった。それまでの金融大暴走に急ブレーキがかかったからこそ、その衝撃に耐えかねてリーマン社が破綻の奈落に転落したわけである。

悪い状態に歯止めがかかったとなれば、そこから良い状態に向かっての浮上が始まって然るべきところだ。だが現状はそうではない。元の悪い状態への回帰現象が起きてしまっているのである。BISが焦燥感を募らせるのも解る。

もっとも、この悪い状態への回帰が、リーマンショックをもたらした環境の完全なる再現を意味しているかといえば、少々違う。なぜなら、カネの世界は再びバブル化の様相さえ呈しているが、その浮かれ効果がモノとヒトの世界に及んでいるかといえば、そうではない。ことレバレッジとリスクの追求に関しては、喉元過ぎて熱さを忘れた金融機関たちも、モノとヒトに関する投融資については、むしろ、糞に懲りてなますを吹く行動が各国で目立つ。企業への融資に関しては、貸し渋り傾向が強く残っている。特にヨーロッパにおいて然りだ。
アメリカでもFRB(連邦準備理事会)がこの点を気にしている。要は、カネがカネの世界だけでばかり回ってしまって、経済活動全体の健全な拡大を支える血流としての役割を果たしていない。どうかすれば、モノとカネを置き去りにしたカネの一人歩き指向は、リーマンショック以前よりもむしろ強まっているとさえいえそうなのである。

保護主義への傾斜―自分さえ良ければ病

こうなって来ると、問題になるのが冒頭で第二に挙げた自分さえ良ければ病である。我が身さえ良ければ。我が社さえ良ければ。我が銀行さえ良ければ。我が国さえ良ければ。 カネの世界がその中だけで自己完結的にカネを回そうとするのも、一種の自分さえ良ければ病にほかならない。そのような金融環境の中で生き延びようとする企業たちは、価格競争力の強化を必死で追求し、そのためにコスト削減を極限まで徹底しようとする。生き残りをかけた彼らの自分さえ良ければの追求が、荷烈な雇用調整をもたらして、人々を痛めつける。痛めつけられた人々は、止むなく、節約指向を強める。彼らの節約指向が強まれば強まるほど、企業はモノを売りさばくことが出来なくなる。
経済環境が厳しくなればなるほど、あらゆるレベルで我が身かわいさが先行する。もとより、いずれも止むを得ざる自己防衛反応だ。個別的にみれば、しごく当然の選択である。だが、誰もがその道を選んでしまえば、どうしてもお互いにお互いの首を絞めることになっていく。自分さえ良ければ病に人々が集団感染した時、結局は、そこに勝者なしである。自分さえ良ければ病にかかったもの同士が、こうして不毛な闘いを繰り広げる。この問題を抱え込んでしまった分だけ、今の状況は、単なるもとの木阿弥状態よりはさらにたちが悪いといわざるを得ない。
勝者なき闘いではあるのだが、この闘いが始まってしまえば、誰にもそれを止めることが出来ない。闘うことを止めれば生き残れない。いずれにしても、誰も生き残れはしないのだが、それでも、率先して休戦を宣言することは自殺行為にほかならないから、誰もこの消耗戦を率先して止めようとはしない。かくして、自分さえ良ければ病に侵された人々の間の闘争は誠に空恐ろしい経済戦争に発展してしまう。

現に、リーマンショック後における国々の保護主義への傾斜は、止まるところを知らない。G20による第一回の金融サミットが開かれたのが二ズ○○八年一一月のことだ。そこで、G20の首脳たちは保護主義回避の誓いを謳い上げた。ところが、実際には、その彼らによって、ほぼ三日に一回のペースで保護主義回避の約束違反が行われて来た。それがこの問の現実なのである。G20の二〇カ国中、二○○八年一一月のサミット後に保護主義的措置を導入していない国は、何とたったの三力国しかないというのが実態だ。
かくして、内にあってはもとの木阿弥病に侵され、外に向かっては自分さえ良ければ病の典型的症状である保護主義で排除の論理を前面に出す。国々がこのような姿を呈し続けている限り、地球経済は健康体に戻ることが出来そうにない。

新型デフレ病

止むに止まれぬ自分さえ良ければ病の副作用として、新たに発生している病が新型デフレ病である。この病気は、日本において特に悪性化している観が強い。だが、決して日本に限定された問題ではない。程度の差はあれ、多くの国々の経済がこの病に侵されつつある。
デフレは怖い。死に至る病だ。とくに今、日本を襲っている新型デフレにはその傾向が強いと思う。新型インフルも怖いが、デフレ病の方が毒性が強い。
なぜ新型で、なぜ致死病なのか。新型なのは、経済成長率がマイナスではないからだ。本来なら、デフレとは経済の縮小現象だから、成長率はマイナスになるはずだ。だが、このところ、日本の実質経済成長率はプラスになっている。経済活動は萎んでいない。萎んでいるのは、物の値段だ。激烈な安売りで、何とか販売量を確保する行動が広がっている。
かつて、「数量景気」という言い方がさかんに使われた時期がある。製品単価はあまり上げられない。だが、量がはけるから、それなりに儲かる。かの「いざなぎ景気」などがこの類だった。
これに対して、今は量の確保のために、誰もが出血大サービス的値下げで対応している。要は出血景気だ。出血多量が行き過ぎれば、企業は存続出来ない。存続出来ない企業が増えれば、人々に職がなくなる。失職すれば、人々は最終的には生きていけなくなる。だから、新型デフレは死に至る病だ。どう考えても、この値段がまかり通るようでは、誰も生活が成り立たない。そう思わざるを得ないような事例が、近頃、良く話題になる。その最たるケースが九九円のセーターである。九九〇円ではない。たったの九九円である。
この値段で、セーターが買えれば助かる。そう考えてはいけない。その発想には、大きな落とし穴が潜んでいる。それを端的に示す事例に出会った。
ある若い主婦が、徹底した安物買いの追求で家計防衛に頑張っていた。するとある日、夫がリストラされてうなだれて帰宅した。夫を解雇した会社は、その主婦が喜んで安物買いに日参していた小売店への納入業者であった。妻の生活防衛行動が、夫を職場から追い立てる。「風が吹けば桶屋が儲かる」のブラックーユーモア版のような話だ。
こんな、ウソのようなホントの話が出て来てしまう。それが今日の実態だ。ここまで来ると、デフレを止めることは至難の業だ。夫がリストラされた妻は、愕然としながらも、結局はさらに一段の安物探しに走らざるを得ないだろう。するとまた、どこかで誰かのパートナーがリストラされるかもしれない。すると、そちらの家庭でも、安物買いはさらに極まっていくことになる。
新型デフレの悪循環の背後で、自分さえ良ければ病の力学が働いていることは、明らかだ。九九円のセーターを売るのも、それを買うのも、要は我が身のサバイバルのためである。誰も、決して我欲に走って自分のことだけを考えているわけではない。止むなき自己防衛行動がお互いを追い込んで行く。この流れを逆回転させることが、どうすれば出来るか。簡単に答えが出る問題ではない。だが、そこを考えて知恵を絞ることこそ、ポスト・リーマンショックの地球経済が健全性を取り戻すための不可欠な対応の一つだ。

地球規模のカネの偏在問題

ただ、それだけでも、問題は解決しない。もとの木阿弥病も、自分さえ良ければ病も、新型デフレ病も、元をたどれば、発生源は一つだ。それは地球経済を覆う大きくて本質的な不均衡問題である。要はカネの偏在問題だ。
資金不足のアメリカがあり、かたや、資金余剰の日本やドイツや中国が存在する。後者から前者へとカネが流れる。それはそれで当然なのだが、両者の間に存在する不均衡があまりにも大きくて、その問の資金移動の規模があまりにも大きい。その巨大な規模のカネに相応の収益を稼ぎ出させようとする資金運用行動が、レバレッジ・ビジネスを狂乱させ、バブルを生み、恐慌発生に向かうマグマの集積をもたらしてしまう。
この構図が是正されるためには、資金不足のアメリカは、世界から資金を引き寄せる代わりに、そもそも、資金不足そのものを解消する必要がある。それが実現するためには、アメリカにカネが集まりにくくなる必要がある。そうなるためには、ドルの通貨価値に対する過人評価が是正されなければならない。かくして、結局のところは、ドル高是正をもたらす通貨調整がどうしても必要になる。問題の本質はここにある。この点を見落とすと、最終解にはどうしても到達出来ない。オバマ大統領は、このほどアメリカの金融制度の抜本改革案を打ち出した。大きすぎてつぶせない銀行の存在を許さない。公益性のある金融サービスの担い手たちがギャンブル的資金運用に走ることも許さない。今回の改革案の底流を形成するこれらの考え方は、金融をその本来の役割に立ち戻らせようとするものだ。その限りにおいて、全く正しい方向性を指向していると考えられる。
だが、金融面におけるこの対応だけでは、地球経済を蝕む病弊群を完全に退治することは出来ない。そのためには、どうしても通貨面での調整が必要になる。ドルに関する基軸通貨幻想を、アメリカも世界も捨て去る日が来なければ、最終決着にはたどり着けない。そう考えるところだ。

国家破綻病の恐怖

ところで、新型デフレが自分さえ良ければ病の急性副作用であるとすれば、もとの木阿弥病にも、怖い副次的病を顕在化させる懸念が潜在している。その怖い副次的病とは、すなわち国家破綻病である。
もとの木阿弥現象をもたらしている政策主導の低金利・カネ余りには、実をいえば、もう一つの効用がある。それはすなわち、国債消化に関する側面支援効果だ。現状において、どの国も財政は大盤振る舞い状態にある。流動性供給に邁進する金融政策と歩調を合わせて、官製需要の創出に精を出している。そのためには財源が必要だ。しかしながら、これまた、どの国も今の情勢の中で税収の伸びは至って芳しくない。経済政策のための財源捻出は、どこでも大きな悩みの種だ。勢い、国債発行に頼ることになる。
かくして、大量に発行される国債をどう消化するか。将来的な利払い負担を、いかにして圧縮するか。これらの悩みに対して、もとの木阿弥病の原因となっている中央銀行主導のカネ余りが、結局は一つの抜け道を提供する格好になっているのである。カネ余りであれば、国債も買ってもらいやすくなる。低金利傾向が定着していれば、それに引き寄せられて、国債の利回りも低位に止まる。結果的に、中央銀行の手助けを得て国債大量発行を何とか市場に受け入れてもらう格好になっている。
これを言い換えれば、要するにそれだけ財政事情がのっぴきならないところに来ているということだ。中央銀行の実質的支援を得なければ、国債消化がままならない。これは国家財政にとって極めて厳しい状況だ。「次はいよいよ国家破綻」そんな言い方が世界の金融紙誌に登場するようになって来た。
そのような状況に陥ることにも、今の情勢下では不思議はない。公共事業を行う。雇用対策に乗り出す。窮地に陥った産業企業を支援する。中小企業を助成する。そして破綻に瀕した諸企業を国有化という形で救出する。これだけのことをやっていれば、財政事情が厳しくなるのは当然だ。しかも、圧倒的に多くの国々がただでさえ赤字財政に四苦八苦して来た。そもそも火の車状態であったところに、今回の状況に対処するために事実上、無い袖を振ることを迫られることになったのである。悩みが深いのは当然だ。
悩みが深いだけに止まるならいい。このままでは、いわばミイラ取りがミイラになる恐れがある。要は、民問経済の破綻回避に注力しているうちに、結局は国家が破綻に追い込まれるということである。どの国が一番先にミイラ化するか。その憶測が金融メディアを賑わす昨今である。ゾンビ企業を救おうとして、国がミイラになる。そんなシャレにならない事態を迎えることになるかもしれない。悪い冗談が現実になる。その日が来ないことを祈るばかりだ。
もっとも、既にして事実上その日を迎えつつある国々がないわけではない。「我々は第二のアイスランドではない。もちろん、第二のドバイでもない」。○九年の暮れに向かう中で、ギリシヤのパパコンスタンティヌウ財務人臣がそう言った。
アイスランドの二の舞を演じるというのは、要するに、まさしく、国家破綻状況に追い込まれるということだ。リーマンショックの煽りを受けて、北極圏の極小国、アイスランドがIMF(国際通貨基金)の管理下に入った。およそ一年前のことである。金融立国の夢破れての顛末だった。
ドバイについては、まだまだ結末がみえてこない。政府系持ち株会社、ドバイワールドが債務返済の一時凍結を債権者に要請した。「しばしのご猶予を」というわけである。これには世界が驚いた。しけたデフレ話ばかりが飛び交う世の中で、ドバイは地球経済最後のバブルの夢の大御殿だった。カネ回りもモノづくりも、真っ暗闇の中の一筋のきらびやかな光明を求めて、ドバイに殺到した。だが、それも今や、あまりにも文字通り過ぎる砂上の楼閣と化してしまった。
お隣のお兄さん国、アブダビが資金援助に乗り出したことで、いったんはパニックが鎮静する展開になった。だが、ここから先の筋書きは誰にも解らない。この場合にも、一番怖いのはミイラ取りがミイラとなることだ。手を差し伸べたものの、荷が重過ぎて結局は救世主もまた、転じて犠牲者となるかもしれない。手に汗握る瀬戸際芝居だ。
そうこうするうちに、ギリシャ問題が噴出した。対GDP比で六~八%だといっていた財政赤字が、実は十二・七%になりそうだという。六~八%でも、相当にひどい。ところが、そのひどい数字さえ、ずさんさからか、粉飾によってか、いずれにせよ、全く実態を反映していなかったということなのである。ひどい話だ。これでは、第二のドバイ、第二のアイスランド説を必死で財務大臣が火消しに回らなければいけないのも、当然だ。

究極の悪夢は

国というものが、家計簿の辻褄が合わなくて窮地に追い込まれた時、活路を求める突破口が二つある。その一がインフレで、その二がデノミだ。
インフレを起こすことができれば、話は簡単だ。国が何兆円の借金をしていても、物価が天文学的に上がってしまえば、今日の国の借金は、明日のおにぎり一個の値段に過ぎないかもしれない。かたや、デノミ自体は、単なる通貨価値の読み換えだ。一〇〇円を一円と言い換えるだけの話である。だが、それをやることをきっかけに、それまでの借金を期限つきで反故にする。そのような形でデノミを便おうと思えば、それが出来てしまう。
インフレにせよ、デノミにせよ、これはある種のまやかしだ。進退極まった国家の国民に対する裏切り行為だ。これには気をつけなければいけない。さらにいえば、インフレやデノミならまだいいかもしれない。もっとむきだしで暴力的な形で、価値の体系を破壊することも、不可能ではない。それを国家権力が断行する時、人々は統制経済という名の怖い状況に当面することになる。一夜にして、モノの値段が倍になる。一夜にして、モノの値段が上がることを許さない世界になる。そんな具合に政治が経済を管理しようとする時こそ、究極の悪夢が現実となる。
国家破綻が目の前にぶら下がって来ると、何か起こるか解らない。それには大いに注意を要する。ちなみに言えば、ギリシャの政府債務の対GDP比が一一三%だ。ドバイの場合が、推計一四〇%ということらしい。日本に関するこの数字がどうかといえば、実に一七一%と報道されている。横並びでこれらの数値をみるのはいけない。算定基準が違う可能性が大きい。経済規模の問題もある。だが、それはそれとして、我々は今の国々の出方を注意深くみている必要がある。「第二の誰かさん」にならないためということで、インフレやデノミをしかけようとする陰謀には、絶対的に要注意である。

「まさか」を直視すべし

こうして地球経済の現状をみれば、もとの木阿弥病に始まって、最終的には統制経済状況にまで到達してしまう恐れがある。極論すれば、そんな構図が浮かび上がって来てしまうのである。まさか、そんなことにはならないと思いたい。だが、およそ経済の歴史というものは、まさかが現実となる展開の連続だ。油断は禁物である。むしろ、「まさか」の三文字が頭に浮かんだときこそ、それが現実だと考えた方がいいかもしれない。かの名探偵、シャーロック・ホームズいわく、「不可能なものを消去していけば、残ったものがいかにまさかと思われようとも、それが真理だ」。
怖い「まさか」が現実化することを覚悟して、その時の対処法を考えておくことが肝要だ。リスク管理とはそういうものである。地球経済がポスト・リーマンショックの様々な病弊を克服していくには、まだまだ時間を要しそうである。もしかすると、二一世紀が成人式を迎えるまでの期間を、そのために費やすことになるかもしれない。まさかと言わず、焦らずしっかり新たな均衡点を模索するべきだろう。ずるずるともとの木阿弥化の道を滑り落ちて行くよりは、その方が遥かに前向きである。


雑誌 「世界」 3月号より

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【参考リンク】: 【 浜 矩子 】 : Wikipedia :

http://ja.wikipedia.org/wiki/浜矩子


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

浜 矩子(はま のりこ、1952年8月3日 - )は、日本エコノミスト。専門は、国際経済のマクロ分析。 同志社大学大学院ビジネス研究科教授


人物 [編集]

東京都出身。1975年に一橋大学経済学部を卒業し三菱総合研究所に入社。1990年渡英し、三菱総合研究所ロンドン駐在員事務所所長兼駐在エコノミスト就任。1998年に帰国して三菱総合研究所主席研究員・経済調査部長。2002年秋より同志社大学大学院ビジネス研究科教授に就任し、週1度京都に通い教鞭をとる。
国内外のメディアに登場。同時に政府金融審議会国税審議会産業構造審議会の委員などを務める。


著書 [編集]

  • 『分裂する欧州経済 - EU崩壊の構図』(日本経済新聞社、1994年)
  • 『最新EU経済入門 - 迷走するマーストリヒト後の欧州』(日本評論社、1995年)
  • 『ネクタイを締めた海賊たち - 「元気なイギリス」の謎を解く』(日本経済新聞社、1998年)
  • 『経済は地球を回る - エコノミストの見方・考え方』(筑摩書房・プリマーブックス、2001年)
  • 『ユーロランドの経済学 - 政治の思惑・通貨の力学』(PHP新書、2001年)
  • 『超・常識塾(政治・経済編)迷える日本を生き抜くわたしたちのために』(実業之日本社、2003年)
  • 『グローバル恐慌 - 金融暴走時代の果てに』(岩波新書、2009年)
  • 『スラム化する日本経済 4分極化する労働者たち』(講談社+α新書、2009年)
  • ザ・シティ金融大冒険物語 海賊バンキングとジェントルマン資本主義 毎日新聞社 2009.8

共著 [編集]

  • 『ヘビーデューティーの経済学』高橋乗宣共著(平凡社、1986年)
  • 『ドルは甦るかドル興亡史に何をみるか』高橋乗宣共著(日本評論社、1992年)
  • 日本人のまっかなホント ジョナサン・ライス,嘉治佐保子共著 小林宏明訳 マクミランランゲージハウス 1999.12
  • 『2009-2019年 大恐慌 失われる10年』高橋乗宣共著(フォレスト出版、2009年)

外部リンク [編集]



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【私のコメント】:

私は、この人の評論の愛読者で、ファンです。 優しい女性らしく、バランスのある経済・社会の評論では、現代日本の中でも、光輝いている。 毎日新聞等に、寄稿をされています。

大学教授であり、知識が豊富な人で、闘争的な男性と異なった女性らしい独特の落ち着きと気品のある優しさとを持っているようである。

これからも、この人の評論に、注目していきたいと思います。

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Migaloo the White Whale Speaks




【出展リンク】: http://www.youtube.com/watch?v=grRuw1cE9LU


http://songlinesofthewhales.org

We present to you the voice of Migaloo, the White Whale. We thought it appropriate that Migaloo be granted the opportunity to speak before the meeting of the International Whaling Commission. As speakers are allowed only a few minutes to present their case, we extracted only the most poignant statements from our 1998 recording of Migaloo's two hour discourse. 'Migaloo' means 'White Fella'. He was named by Australian Aboriginal Elders.

The images are highlights from close extended pod encounters between 1988 and 2008. For images of Migaloo, please view the encounter as narrated by our intern Dave Williams:
http://youtube.com/watch?v=0vEj9gYZChw

''One of the great thrills of my life was hearing and feeling Migaloo's voice pass through my body as he swam past The Oceania Project's research vessel on October 2, 1998.''
~Dave Williams

The song is clearly audible through the hull of the research vessel. Depending on the proximity of the singer, the song is also audible standing on the deck. The sound pressure level of their song is reduced significantly once it passes into the air. Whales speak to each other constantly. The cadence and syncopation of their normal conversations are much different from that of their songs. They often make sounds above water through their nostrils.

Because water is denser than air it is a much better conduit for sound. If a singer is close you can hear him or her in much the same way standing on the deck as our recordings sound on YouTube. Of course the moment you enter the water, which we don't because it is illegal and unnecessary, the sound is felt at it's full sound pressure level, the equivalent of a jack hammer or loud rock concert.

We are working on several papers related to whale 'language'. The term 'language' in relation to Humpback Whales is not yet accepted by the scientific community so we are careful about using it. Although we firmly believe that whales of all species have highly evolved languages.

Three researchers in Hawaii, two computer engineers and a marine biologist, have created a computer application to asses the entropy of whale sounds (loss of energy from a system in this case sound frequency) and have compared them to a range of human languages. They have concluded that Humpback sounds are equivalent to human languages. They used the recordings of Dr. Roger and Katy Payne, made in the 1970s, who were the first scientists to recognize that the unique sounds made by Humpback Whales were in fact conscious, complex evolving songs.


Established in 1988, The Oceania Project is an independent, non-profit research organization dedicated to the conservation and protection of whales, dolphins and the oceans.

http://facebook.com/group.php?gid=245...

The first phase of a long-term study of the East Australian Humpback Whales has been the major work of The Oceania Project.

From an original population of over 60,000, the East Australian Humpback Whales were hunted to the brink of extinction. They were saved only by the collapse of the whaling industry when less than 100 whales remained.

In what can be appreciated as a wonderful symbol of an enlightened human desire to restore balance to this fragile planet after centuries of ignorant exploitation, the East Australian Humpback Whales have been allowed to recover to an estimated population of over 10,000.

When ecosystems across the planet are collapsing and species are becoming extinct at an accelerating rate, the East Australian Humpback Whales are making a remarkable recovery.

They have become Australia's national treasure and a symbol of hope for our imperiled environment.

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カテゴリ:  教育
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国際貢献船 仮称信濃

【出展引用リンク】: http://blog.canpan.info/ngosinano/category_24/

【引用以下の通り】

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夢を現実に、国際貢献に必要な、災害時医療船、国際的な大災害時に医療貢献のできる本格的な医療設備を持った医療支援船・災害救助船。病院船 hospital shipを建造しようとする。壮大なプロジェクトです。

医療スッタフの分離[2009年09月28日(月)]
医療スタッフの分離
病院船の建造に反対の意見もあります。病院船の実現性を抑えている要因の一つに、日常時(災害の発生していない普通の日)にどの様に運用するかです。
病院船建造反対の議論は、医療スッタフを丸抱えした、常設病院船を想定しているからです。費用対効果を考察した時に「費用の割りに効果が少ない」と言う意見です。常設の場合、当然医療スタッフの人件費が毎日発生するから、経費が多くなります。
私の病院船構想は、医療スタッフの分離です。病院船運営団体は、医療スタッフを持たず船舶の運航スタッフだけです。
災害時は、災害派遣医療チームDMATが乗船して活動します。
医療スッタフは、全て日常(通常時)自分の医療機関にて活動しています。災害時だけ緊急援助隊として活動します。

災害派遣医療チームDMAT=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E6%B4%BE%E9%81%A3%E5%8C%BB%E7%99%82%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0
平常時・日常の運用案[2009年09月06日(日)]

災害時に役に立つ事は、何度も書いていますし、数多くの方が認めています。
しかし、今一つ病院船が実現しない理由に、日常(無災害時)に何に使うの?遊ばせておくの?と言う心配があります。
遊ばせ(何にも使わないで埠頭に係留しておくだけ)ておくだけでは、非効率です、これでは、ムダも多いです。
過去の記事の引用ですみません。

http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/77

国際医療派遣のような、病院船の出番になる世界的大災害は、2年に一回とか3年に一回にくらい起きないです。国内での自然災害も病院船の出番になる規模の大災害は1年に一・二回くらいかと思います。
ですから、平常時(通常)は、日本国内で検診と医療の活動を行います。

http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/35
http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/30

に書きましたが、一つの診療地に対して2泊3日を基本とします。
まず前日(1日目)に元になる医療機関の有る港で、ドクターと検診等の医療担当要員を乗船させ、当日の夜か翌日(2日目)の早朝に実施地に寄港します。
2日目は、朝から患者の受け入れと通常検診・半日人間ドック・一日人間ドックを行ない手術チームは地元の診療所と連携し手術を行ないます。その日(2日目)は術後の患者と1泊人間ドックの受診者を医療チームと一緒に船内に宿泊して頂き、
翌日(3日目)手術を受けた患者さんは下船して現地(地元)の診療所に入院して頂き、人間ドックの受信者も下船して、その後に初日(1日目)の寄港地に戻ります。そこで医療チームのスタッフに下船頂き、次の活動の医療チームが待っている寄港地へ移動します。
この場合、母港に帰らないで次の寄港地に移動します。これが1診療地の1工程です。
移動距離によりますが、1工程は3日を基本に移動時間が長い地域だと4~5日になります。この工程の繰り返しで、日本列島と諸島、さらに離島も含めて日本一周をしようと言う計画です。
これは、災害発生時に動けるようにした計画案です。初日(1日目)であれば、手術前なので検診をキャンセルして災害地へ向かいます。2日目に発生した場合は、手術・検診活動中なので終了を待って、翌日(3日目)に災害地へ向かいます。(災害対応は2日目のみめいに災害が発生した時に一番時間がかかりますが、遅くても最大で24時間~30時間後に災害地へ向かえます。)
あくまでも、災害発生時の出動を基本に、日常に検診・医療活動をしようと言う計画です。

・メリットは、地元診療所に最新鋭の手術室・医療機器などの設備を設けなくてよい。
・患者さんは、なじみの地元の診療所で家族の近くで手術を受けられます。
・病院船の設備を災害時だけではなく、通常時も活用できます。
・地元の診療所と基幹病院との間で医師の医療技術の交流がはかられます。
・最新の検診・診断機器で定期健診を地元で行うので、早期発見と予防が向上して、病気の発生数を減らせます。
病院船のコスト試算[2009年09月04日(金)]
病院船(医療支援船)のコストについて考察してみます。

病院船のコストについて、
災害派遣について知ることのできるページblog版
に書かれています。

論文には具体的な費用試算は無いが調達価格1400億+(運用、訓練、人件費等)500億円/年と仮定して、20年で1兆1400億円支払ってもこの病院船艦隊がもたらすさまざまな利点に対しては安いものと感じる。

↑随分と大きな金額ですね!
私の私案では、1艘の建造費は、総建造費は、船体40+推進120+病院60=220億です。
民間の力で病院船建造予算計画案
http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/63
運用コストは、日本財団図書館http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00074/contents/039.htm

から、同じ大きさの240m級フェリーで年間34億9、200万円です。
この中から、港湾使用料を特区の申請をして、減免できるとマイナス1億7,400万円で
33億1,800万円、さらに船体の原価償却分12億700万円分を除くと実際の年間運航経費は、21億1,100万円です。
さらに、フェリーの上記計算表では、1日当りの航海時間(移動している時間)を19.8時間、停泊時間を4時間としていますが、病院船の場合の医療活動は、停泊して行います。停泊時間が航海時間より長くなります。1日平均の航海時間は半分くらいになるでしょう、単純に燃料費の半分ですと、マイナス6億1,185万円で、年間運航経費は、約15億円です。

これは、医療従事者(ドクター・ナース・ME等々)を分離するからです。医薬品・医療材料(包帯・ガーゼ等)も分離するからです。
こんなに、ローコストで国際貢献ができ、国内災害に役に立つ、ツール(お道具)は『病院船』の他にないのです。
国内災害時の活動[2009年08月30日(日)]
厚生労働省のホームページに「厚生労働省防災業務計画」がありました。
病院船(医療支援船)関係する部分を抜粋すると

まず予防対策として
第1編 災害予防対策
第2節 災害時医療体制の整備
第4 災害派遣医療チーム(DMAT)等の体制整備
1 厚生労働省医政局は、災害派遣医療チーム(DMAT)等の運用にかかる体制を整備するために、日本DMAT活動要領を策定する。
2 都道府県は、日本DMAT活動要領に基づき、DMAT運用計画を策定し、災害派遣医療チーム(DMAT)等の運用にかかる体制を整備する。
第6 災害時の対応マニュアルの作成等
2  すべての病院は、災害時における救急患者への医療支援に備え、災害時における情報の収集・発信方法、救急患者の受入れ方法、救護班・災害派遣医療チーム(DMAT)等の派遣方法等を記したマニュアル(以下「病院防災マニュアル」という。)の作成に努める。
3 厚生労働省医政局は、都道府県に対し、地域防災計画における医療供給の支援体制の整備について必要な助言及びその他の支援を行うとともに、病院に対し、病院防災マニュアル作成のためのガイドラインを周知する等により、必要な支援を行う。
第3節 災害時における救急患者等の搬送体制の確保
1  都道府県は、災害時における救急患者及び医療活動従事者の搬送のため、平常時から、陸路・海路・空路を利用した複数の搬送手段の確保に努める
第5節 医薬品等の安定供給の確保
第2 災害時における医薬品等の搬送体制の確保
1  都道府県は、災害時における医薬品等の搬送のため、平常時から、マンパワーの確保及び自転車、自動二輪車を含めた搬送手段の確保に努める。
第8節 個別疾患に係る防災体制の整備
第1 人工透析
1  都道府県は、クラッシュシンドロームによる急性腎障害患者への対応も含めた災害時の人工透析医療を確保するため、社団法人日本透析医会その他の関係機関と協力し、透析患者の受療状況及び透析医療機関の稼働状況の把握並びに必要な水・医薬品等の確保に努める。
2  厚生労働省健康局は、都道府県が行う人工透析医療に係る防災体制の整備に関し、必要な助言及びその他の支援を行う。
第2 難病等
1  都道府県は、人工呼吸器等を使用している在宅の難病患者その他特殊な医療を必要とする患者(以下「難病患者等」という。)に対する災害時の医療を確保するため、医療機関等の協力を求めるとともに、連絡体制を整備するなど、難病患者等の受療状況及び医療機関の稼働状況の把握並びに必要な医薬品等の確保に努める。
2  厚生労働省健康局は、都道府県が行う難病等に係る防災体制の整備に関し、必要な助言及びその他の支援を行う。
実際の災害発生時の対策は
第2編 災害応急対策
第4節 非常災害の特性や時間の経過に応じた適切な災害応急対策の実施
(表)
発災後24時間以内 (要援護者) ・ 人工透析患者等緊急の対応を要する要援護者の安否確認、支援
発災後72時間以内 (医療・保健) ・ 避難所救護センターの設置・ 救護所等への医薬品等の供給の支援
(要援護者) ・ 在宅寝たきり老人、障害者、遺児・孤児、難病患者等の要援護者の発見、安否確認、支援
発災後1週間以内  (全般) ・ ・現地で初期対応に従事した者の交代要員の派遣
(避難所等)  ・ 仮設風呂の設置
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/saigaikyujo5.html

病院船(医療支援船)の活動は、人工透析患者の受け入れ、周産期の母子の受け入れ、難病患者の受け入れをします。もちろん手術室・検査設備もありますから被災医療機関の手術予定患者・入院患者など緊急性を有する患者を受け入れます。
船内の浴室の開放による入浴支援、給食調理設備による食事支援、災害医療従事者の宿泊場所、発電設備(電気推進船だから)からの停電施設へ給電、通信設備を使用した連絡網の確保です
ソフトとハードの分離[2009年08月27日(木)]
コンピュータの世界では、ソフトとハードの分離は常識です。ハードウェアは、各ハードメーカーが提供ソフトウェアは各ソフトメーカーが提供です。
私の提唱している、病院船(医療支援船)は、医療スタッフを持たない、ソフトとハードの分離方式です。
ソフトとハードを分離する事により、
メリットは
1、医療スッタッフを持たない分、医療スッタフ分の人件費が不要になり、コストが削減できる。
2、派遣目的に、合った医療スタッフが乗り込む事により、最も適した医療活動ができる。
・海外大規模災害時、JDR国際緊急援助隊医療チーム
・国内大規模災害時、災害派遣医療チーム(DMAT)
・国内通常(日常時)、地域(地元医療機関)・地元健診団体
・海外通常(非災害時)、NGO医療団体
と、言うように、その場面に適した、医療スタッフによる活動ができます。
デメリット
1、医療スタッフをうまく緊急招集できるように、システムの構築が必要。
・場面により乗船する医療チームが違うため、医療チームごとに監督官庁が異なる、そのため各監督官庁との連携のできるシステム(法整備)が必要
海外大規模災害時=JICA「国際協力機構」
国内大規模災害時=現地災害本部=都道府県=内閣府
国内通常(日常時)=地元医療機関・地元健診団体=病院の基準(厚生労働省)
海外通常(非災害時)=JICA「国際協力機構」

2、医療スタッフに、船舶と言う特殊性と、船内の医療設備・医療機器に慣れてもらう必要
・日常から研修・訓練が必要
日常(平時)の運用[2009年08月26日(水)]
以前も書きました。
http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/30#comments
へき地医療MAPなるものを発見しました。日本国内には、医療を必要としている地域がたくさんあります。
http://www.hekichi.net/ 

病院船は、日本国内の離島・半島を巡回し、医療・検診活動をおこないます。

病院船の担当する手術は、主に緊急性は必要ないが、ある程度の医療設備と医療技術がないと出来ない手術をおこないます。(副鼻腔炎・白内障・頚椎症手術などの手術)
手術後の当日は、船内に宿泊していただき、その後は、地元の診療所に入院して療養していただきます。
実は、私自身も5年前に副鼻腔炎手術(私の時は局部麻酔で全部記憶があります)を受けましたが手術自体は30分で終わる手術です。入院は一週間でした。

法定健診と一般検診・人間ドックも同時に行います。
年間250日以上稼動できるとすると。
一泊二日人間ドックの利用者数を約2万人弱、その他に一日検診・成人病検診・普通検診の受診者が15万人程度と想定すると、かなり実用性が高いと思います。

緊急災害派遣がメインですので、予定変更を可能にするために、最長二泊三日のクルーズとします。
前日医療スタッフを乗船させ、停泊地へ移動し前泊します。
当日は朝から検診・医療活動を実施します、術後患者・受検診者に宿泊してもらいます。
翌日に下船していただいてから次の寄港地へ移動します。
災害発生時はキャンセルする事を事前に決めておきます。(だから、治療可能な手術は緊急性を有しないものに限定します)

この運用方式で、日常(災害の無い、普段)も船を活用するのです。
海外災害の運用私案[2009年08月08日(土)]
病院船の建造費の心配をされている方がいます。
2009年08月01日の記事http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/325
病院船が完成したとして、世界で活動するためには、その運用が重要です。
病院船は単独では、活動できません。
海外災害の運用は、日本の国際緊急援助隊医療チームと同じ行動をとります。

国際緊急援助隊とは、ウィキペディア(Wikipedia)(英語:Japan Disaster Relief team)は、海外で発生した自然災害や建築物の倒壊など人為的災害に対して行う主に人的支援のことをいう。国際貢献の一つである。通称、JDR。
援助の目的・役割に応じ「救助チーム」「医療チーム」「専門家チーム」「自衛隊部隊」があります。
国際緊急援助隊を実施しているは、JICA国際協力機構です。


↑日本の国際緊急援助体制 JDRのHPから
詳しい目的体系図=http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/k_enjyo/pdf/ke03_01_0101.pdf

ここから、私案ですが、このJDR国際緊急援助隊の枠組みの中に「病院船」を組み込みます。

各チームの連携活動が重要です。
病院船の役割は、医療チームに対して、
①医療施設・医療機器の提供(場所=病院の提供)
病院船は、入院室の他に、手術室・感染症対応室・ICU・MRI・検査施設などの陸上の病院の機能を被災地に持って行きます。

②母船としての役割
1・被災地と日本国内との通信の拠点、衛星通信を利用いた画像診断端末の搭載など、国内と同じ医療情報が被災地で利用できます。
通信設備の利用は、緊急援助隊の調整官に対しても、他国チームとの連携・国内本部との情報伝達など、活動計画の面で大いに役立ちます。
2・医療チームの宿泊施設です。被災地は想定ですが、テントでの診療が主になると思います。それは、厳しい自然条件(高温多湿)や飲料水の制限など、非常に過酷な条件の中の医療活動になると思います。
病院船内に、病院施設の他に、医療チームの宿泊施設を用意して、国内と同じ居住環境を提供します。国内と同じ居住環境とは、空調が整った宿泊室、シャワーが使えて、ちゃんと調理した温かい食事の提供、国内とのメールのやり取り可能などです。 交代医療チームの待機施設・活動中の医療チームのリフレシュのためのオアシスです。

③自衛隊チームとの連携
負傷者・患者の病院船への搬送には、ヘリコプターの運用が不可欠です。医療チームが被災地に行くのにもヘリですし、医薬品の輸送もヘリです。被災地では、物資・人の移動がヘリコプターに頼る事になると思います。現在のところ、海外での実績があり、海外災害地にて洋上の船上のヘリポートにヘリコプターを運用できるのは、自衛隊だけです。
被災地で長期(数ヶ月)の活動すると、病院船に燃料の補給も必要でしょう、自衛隊艦船を利用した、洋上補給も必要になります。


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防衛研究所の論文から[2009年02月22日(日)]
防衛研究所紀要第11巻第2号2009年1月に、

少し難しい内容ですが、

病院船
――日本の必需品――

と言うテーマで、
スパーロック・ケネス・R. 米国陸軍中佐

の論文が発表されております。


リンク先=防衛省防衛研究所


まずは、発見したばかりですので、コメントは次回にいたします。
病院船の必要性を防衛省が認め、より多くの方々が必要を訴える事により、
より、実現に近づきます。嬉しいかがりです。
DMATと病院船[2007年06月20日(水)]
国内の災害発生に活動するのは、災害医療チーム(DMAT)です。
DMATとは、http://www.dmat.jp/に活動と運用・定義と位置付け、の説明があります。
Disaster Medical Assistance Teamの略です。
病院船(医療支援船)は、船舶である特徴を生かし、大空間(大きなスペース)を一度に移動できるメリットがあります。病院船(医療支援船)のメリットは被災者を救援するだけではありません。災害地におけて、全国各地(災害地より遠い地域)から来て、被災地での不眠不休の救援活動で疲れ果ているDMAT隊員の宿泊地・オアシシス(休息場所)になるのが病院船です。DMATスッタフの方々に仮設テントでは無い、ちゃんとした個室とベット・シャワーとお風呂が疲労回復と活力の源になります。さらに、ミーティングルームやカンファレンスルームの設置、船内でLAN設備を用意して置けば、インターネットが使え・電子メールも使えます。これらにより医療情報も検索できますし。診断画像伝送システムのよう医療情報端末機器の装備を搭載して置けば、被災者の容態を専門医に診断を仰ぐことも出来、緊急時の医療活動に相当役に立ちます。病院船(医療支援船)は、被災者を救援するだけでないのです。
くどいようですが、上記の機能を一度に運べる(移動できる)のは、船舶(病院船(医療支援船))だけなのです。
病院船の運用コスト[2007年02月14日(水)]
災害支援・災害救助に役立つ病院船の必要性は数多くの人が認めていますが、実現しない理由に、災害時以外(日常)何に使うか?と言う問題があります。
病院船の出番となる様な大規模自然災害は、2年~3年に一度程度しか起きません。
日本国内での台風災害も病院船の出番は、1年に2度程度でしょう「もちろん、出番が無く災害が無いに越したことはありません。」
では、災害の無い期間は「寝ているか・遊んでいるか」ではもったいなくてしょうがありませんね。そこで、何度も言っていますが日常精密健診簡単な手術を行ないます。

もったいない話をすると、病院船を建造はなんとか建造出来たとして、
http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/63
出来上がった病院船には、いっぱい活動して貰わないと建造費がもったいない(勿体無い)です。
原価償却と言う考えがあります。原価償却とは、建造コストを回収しよう。簡単に説明すると寿命が来るまでに元を取ろうと言う事です。220億の船舶が15年の寿命とすると、220億÷15年=1年間に14億6千万円稼がないと元が取れないよ。1ヶ月に1億2千万・1日395万分使わない(活躍してもらう)といけないよ、という事です。(※税法上の計算とは違います)
全てのお道具(機械・器具・設備)は、使うために生まれてきます。決して、飾って置くためや、しまい込んで置くための、物ではありません。病院船毎日毎日、活動する必要があります。

病院船運用計画http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/78
平常時の活動http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/29
に書きました。
世界的規模の自然災害への救援活動・国内災害時の支援活動と
平常時=離島医療と健診医療を行い、
病院船は、この2つの組み合わせ運用により、効率よく活動できるのです。

病院船運航団体は、病院船の航行・維持・管理だけを行います。医療スタッフを持ちません。医療活動・検診活動は、病院船チャーターした医療団体が行ないます。
日本全土を範囲に医療・検診活動を行なうにはたくさんの医療スタッフが必要です。それを、一つの団体が持つ事は得策ではありません。さらに、地域での医療はその地域の診療所との密着が必要です。ですから、病院船の日本国内の医療・検診活動では、その都度その地域医療機関のスタッフに乗船していただきます。

この方式は、病院船は医療スタッフを持つ必要がないので、医療スタッフのローテーションや人件費を考慮しないですみます。病院船運航団体は運航・整備クルーだけの保有ですみ、効率のよいコスト配分になります。


病院船運航団体と妙な表現になりましたが、病院船の所有者(船主・オーナー)は共有建造方式で建造http://blog.canpan.info/ngosinano/archive/63
の場合、鉄道・運輸機構JRTTです。
次へ


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【引用終わり:以上の通り】

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