2010年3月14日日曜日

『自然に学ぶ"森里海連環学"』:天野礼子の『環境の公共事業』 

【出展リンク】: http://www.the-journal.jp/contents/amano/2010/03/post_94.html

2010年3月13日


自然に学ぶ"森里海連環学"

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学" No.10
森林・林業再生
「森里海連環学」を2003年に京都大学で誕生させたのは、人工林研究者と、ヒラメの研究者。
その人工林研究者が、今は名誉教授となられた竹内典之(たけうち・みちゆき)先生。昨年より私や養老孟司先生と一緒に、「清流高津川が育む家づくり協議会」の委員として、高津川に通っておられる。
竹内先生と私は、高津川流域の県や市町で働く若手を募って、「フォレスター養成講座」を組織している。
ドイツなど林業先進国では、国にも、州にも、地方自治体にも、"フォレスター"と呼ばれる公務員がいて、地域の森林所有者の相談に乗っている。国の森林計画がまずあり、州(日本では都道府県)にも国と調整済みの計画があり、だから市町村はこうしようという計画がきちんとあって、それに基づいて、「あなたの森は、今回はこのように間伐をしましょう」と指導してくれるのだ。
日本でも、林野庁があり、森林組合があり、県などにも林業担当があって、様式としては、「フォレスター」はいないことはない。
しかしドイツでは、幼稚園で「将来どんな職業に就きたいか」と問うと、男女問わずほとんど全員が「フォレスター」と答えるのだという。子供にも尊敬され、知られているということだ。私は、これを聞いただけで、「日本には"フォレスター"はいない」と思ったものだ。
政権交代があって日本の林業は、林野庁と「国家戦略室(間もなく局になる)」が考えることになり、12月末に「森林・林業再生プラン」が発表された(林野庁のHPに掲載)。
長年わが国で林業が火の消えた状態にあったのは、戦後大造林したスギ、ヒノキが成長過程にあったことと、その木が育っている間は収入がなく、木材価値の低迷もあって、間伐など森の世話をする費用が出せないという事情であったからだった。
木材自給率20%、1800万立方㍍しか生産できていないわが国を、10年で自給率50%、5千万立法㍍が生産できる林業国にするという「再生プラン」。「日本版フォレスター」も養成するとされている。
高津川でも、こんなプランが発表される前から「フォレスター講座」ができている。流域の子供たちから尊敬される「森の番人」に育ってほしい。「我こそは!」と参加したい人は、いませんか?

0 件のコメント:

Follow by Email

ブログ アーカイブ