ノアの箱舟を創ろう Let us Create the Super Ocean-Floating-Structures such as the Noah's ark.

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Saturday, December 5, 2009

大型藻類の藻場造成によるCO2固定 種苗移植による藻場造成技術の確立

【出展引用リンク】:

http://www.chuden.co.jp/torikumi/study/library/news/pdf/list083/N08307.pdf

【引用】以下の通り

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研究成果
Results of Research Activities

大型藻類の藻場造成によるCO2固定
種苗移植による藻場造成技術の確立
CO2 Fixation by Artificial Formation of Seaweed Beds
Formation of seaweed beds by sporlings transplantation
地球温暖化の抑制を目的とした、CO2固定化技術の
検討は、化学的な除去や樹木・微細藻類を用いた取り
組み事例はあるが、大型藻類を利用した知見はない。
そこで、カジメ種苗の周年・大量生産技術を用いた
藻場造成技術を確立し、海域におけるCO2固定を促進
する研究を実施した。
なお、本研究は財団法人 国際環境技術移転研究セ
ンター(ICETT)と共同研究契約を締結し、国からの
補助を受けて実施した。
(電気利用技術研究所 バイオ・水産G)
コンブ科の藻類によって形成される群落は、藻場
と呼ばれ魚介類の産卵・成育およびエサ場として不
可欠な環境であるだけでなく、窒素・リンなどの栄
養塩を吸収し、海域の富栄養化の抑制にもつながる
ため、大型藻類の藻場造成は、付加価値の高いCO2固
定化技術であるといえる。
そこで、コンブ科の多年生藻類であるカジメ
(Ecklonia cava Kjellman)を材料とし(写真1)、バイ
オ技術による種苗の周年・大量生産技術を用いて藻
場造成を行い、CO2を固定する研究を実施した。


1 種苗の周年・大量生産
(1)バイオ種苗生産
カジメの切片から種苗を生産する組織培養と、遊
走子を用いた配偶体培養について、温度、照度、培
地などの最適条件について解明を行った結果、安定
した増殖を行うことが可能となった。
増殖した細胞から、効率的に種苗を生産するため、
ガラス水槽内でビニロン糸へ付着させることで、乾
燥重量1mgの細胞から、5,000~15,000本の種苗を生
産することができ、3年間の合計では、12,600m(種
苗約300万本)の種糸を供給した(写真2)。


(2)陸上水槽での育成(中間育成)
カジメ種苗が着生した種糸は、25×25cmのコンク
リートブロックに取り付け(写真3)、陸上水槽内で
温度やエアレーション条件を調整して中間育成を行

(Biotechnology and Marine Resources Group, Electrotechnology
Applications Research and Development Center)
CO2 fixation for the purpose of mitigating global warming has been
attempted through chemical removal of CO2 through emission and
fixation in woody plants and microalgae. However, there has been
no research on the use of macroalgae.
We have conducted a study on CO2 fixation in seawater by
establishing a technique to form seaweed beds to cultivate sporlings
of Ecklonia cava.
This research was conducted with a subsidy provided by the
government, under a joint research agreement contracted with the
International Center for Environmental Technology Transfer
(ICETT).

1 研究の背景
2 研究の概要
研究成果
Results of Research Activities
写真2 ガラス水槽を用いた種苗生産
写真3 種糸の取り付け状況
写真1 カジメ成体(全長1m)
技術開発ニュースNo.83/2000- 1 ●執筆者/鈴村素弘8
った。
平成9年度までの管理では、高圧洗浄機による珪藻
除去作業を週2回の頻度で実施していたが、育成期間
が2ヶ月以上になると藻体上に珪藻が付着し、葉状部
に穴開きや変色が発生した。
そこで、平成10年度は、珪藻を選択的に摂食する
小形巻貝のチグサ貝を混養する技術を検討した結果、
珪藻の繁殖を抑制することができ、健苗性の向上と
種苗の管理作業の軽減につながった。
確立した周年・大量生産技術により育成した種苗
を用いて海域での藻場造成を行った(写真4)。

(1)海域での藻場造成
最適な移植手法や適期を選定した結果、移植種苗
は6.8本/m2が1年以上生残しており(写真5)、630m2の
藻場造成を行うことができた(天然群落では5~10本
/m2が成育)。
平成10年の秋には、生残した個体の葉状部に子嚢
斑の形成が確認できたため(写真6)、次世代の加入
が期待できる。
また、水産資源上有用なアワビ、サザエなどの個
体数も増加傾向にあるため、漁業振興技術としても
応用可能であると考えられる。
(2)CO2固定量の把握
第1表にカジメ群落の造成規模とCO2総固定量を示
した。造成面積とは、コンクリート基盤の上面面積
である(基盤1基3m2)。
1~2齢の個体のみである造成藻場のCO2総固定量
は、2~3齢の個体が多い天然藻場と比較して低い値
となった。今後、順調に成育が進めば、天然群落の
固定量に近づくと推定される。
海域へ移植後の生残率向上を目的として、忌避物
質を持つアミジグサ科の海藻との混植による食害対
策や移植海域の温度・照度条件に適合させた中間育
成を行い馴致種苗を生産する技術を検討する。
また、大規模造成に適応可能な群落の拡大化技術
を確立するため、造成した藻場からの遊走子の拡
散・着生や幼体の成育状況について調査し、海域で
実証試験を行う。
拡大したカジメ群落は、CO2固定だけでなく生物の
蝟集効果についても調査し、コスト資産を含めた造
った。

平成9年度までの管理では、高圧洗浄機による珪藻
除去作業を週2回の頻度で実施していたが、育成期間
が2ヶ月以上になると藻体上に珪藻が付着し、葉状部
に穴開きや変色が発生した。
そこで、平成10年度は、珪藻を選択的に摂食する
小形巻貝のチグサ貝を混養する技術を検討した結果、
珪藻の繁殖を抑制することができ、健苗性の向上と
種苗の管理作業の軽減につながった。
確立した周年・大量生産技術により育成した種苗
を用いて海域での藻場造成を行った(写真4)。

(1)海域での藻場造成
最適な移植手法や適期を選定した結果、移植種苗
は6.8本/m2が1年以上生残しており(写真5)、630m2の
藻場造成を行うことができた(天然群落では5~10本
/m2が成育)。
平成10年の秋には、生残した個体の葉状部に子嚢
斑の形成が確認できたため(写真6)、次世代の加入
が期待できる。
また、水産資源上有用なアワビ、サザエなどの個
体数も増加傾向にあるため、漁業振興技術としても
応用可能であると考えられる。
(2)CO2固定量の把握
第1表にカジメ群落の造成規模とCO2総固定量を示
した。造成面積とは、コンクリート基盤の上面面積
である(基盤1基3m2)。
1~2齢の個体のみである造成藻場のCO2総固定量
は、2~3齢の個体が多い天然藻場と比較して低い値
となった。今後、順調に成育が進めば、天然群落の
固定量に近づくと推定される。
海域へ移植後の生残率向上を目的として、忌避物
質を持つアミジグサ科の海藻との混植による食害対
策や移植海域の温度・照度条件に適合させた中間育
成を行い馴致種苗を生産する技術を検討する。
また、大規模造成に適応可能な群落の拡大化技術
を確立するため、造成した藻場からの遊走子の拡
散・着生や幼体の成育状況について調査し、海域で
実証試験を行う。
拡大したカジメ群落は、CO2固定だけでなく生物の
蝟集効果についても調査し、コスト資産を含めた造
成効果を把握する。

●執筆者/鈴村素弘

技術開発ニュースNo.83/2000- 1

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