2010年2月20日土曜日

東レ:【世界最大級の海水淡水化 プラントに採用されたRO膜】他

【出展引用リンク】: 

http://mono-ch.nikkan.co.jp/enterprise/eco/solution09/b/toray/index.html

:日刊工業新聞社 ものづくりチャンネル


【出展引用以下の通り】
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世界の“水環境”課題解決に貢献する東レの水処理膜技術
東レ株式会社《水処理部門》
〒279-8555 千葉県浦安市美浜1-8-1
TEL:047-350-6530   FAX:047-350-6598

地球温暖化が水不足問題をさらに加速

   地球温暖化についての議論が沸騰する中、温暖化による影響の一つとして大規模な水不足とそれによる農業への打撃や、安全な飲料水の入手困難が引き起こす感染症の増加への対策が急務となっている。今既に世界で11億人が飲料水すら手に入らない状態であり、2025年には24億人が極めて深刻な水不足に陥るとの調査結果もある。そうした中、東レの水処理事業がその解決策の一助として脚光を浴びている。
   東レの水処理膜事業は1968年に研究開発が開始され、80年代の半導体事業の活性化に併せた超純水製造用の逆浸透(RO)膜の供給を皮切りに、RO膜の高性能化に基づいて、海水淡水化、かん水淡水化の他、各種工業プロセス水製造、廃水再利用の分野へと対象領域を進めてきた。同社はイオンなどの水中溶存物質全てを除去できるRO膜の他に、中・高分子量溶存物質を除去するナノろ過(NF)膜、高分子物質、ウィルスを除去する限外ろ過(UF)膜、微粒子、細菌類を除去する精密ろ過(MF)膜など、全ての種類の水処理分離膜を保有し、また下廃水処理用のメンブレン・バイオリアクター(MBR)も開発し、総合膜メーカーとして多岐に亘る用途に商品展開している。

世界最大級の海水淡水化 プラントに採用されたRO膜

   RO膜事業における海水淡水化では、沖縄北谷浄水場の海水淡水化プラント(淡水化総量4万m3/日)を含め、受注累計総量は330万m3/日以上の実績を持っており、この分野での世界トップシェアとなっている。従来から最も難度が高いといわれていた中近東アラビア湾での海水淡水化に成功し、またトリニダードトバゴ(ポイントリサ、13.6万m3/日)やシンガポール(チュアス、13.6万m3/日)、アルジェリア(ハンマ、20万m3/日)の各海水淡水化プラントにも同社のRO膜が採用され稼働中である。更にサウジアラビア(シュアイバ、15万m3/日)に採用が決定するなど大規模海水淡水化プラントへの採用が続いている。

図 東レRO膜納入実績/大型プラント代表例

[図] 東レRO膜納入実績/大型プラント代表例
※クリックすると拡大画面が表示されます。

   かん水淡水化においても、韓国(牙山、12.8万m3/日)やサウジアラビア(サルボク&ボワイブ、12万m3/日)で大規模プラントへの納入実績を有し、米国・中東などで、かん水資源からの用水確保、コストダウンを目指す顧客への納入が続いている。
   また、世界で需要が急増中の下廃水再利用分野においては、耐汚染性に優れた低ファウリングRO膜を市場に投入し、世界最大の膜法プラントであるクウェート(スレビヤ、32万m3/日)や、世界第2位の規模となるシンガポール(チャンギ、22.8万m3/日)をはじめ、シンガポール(セレタ)の下水再利用プラント(2.4万m3/日)、中国(天津)でのプラント(3.0万m3/日)や、オーストラリア(ラゲージポイント、6.8万m3/日)の下水再利用プラントといった海外大規模プラントへの納入が相次いでいる。
   逆浸透膜市場は、世界的な水不足の深刻化や環境に配慮した水資源確保の要請から年率10%を超える拡大を続けており、今後も米国、欧州、中東・北アフリカ、中国を中心に着実な成長が予想される。急増する需要に応えるべく、同社は2007年、日米の逆浸透膜およびそのエレメント製造設備を倍増、さらに2009年5月には中国に水処理事業の合弁会社を設立し、新工場を建設中である。新工場が稼働する2010年には、既に生産を行っている日米とあわせて1.5倍(2006年の日米増設前比3倍)の生産能力となる計画だ。

UF・MF・MBRでの展開


トリニダードトバゴ(ポイントリサ)RO膜使用海水淡水化プラント

トリニダードトバゴ(ポイントリサ)RO膜使用海水淡水化プラント

   中空糸UF膜・MF膜は、飲料水(上水)製造用途でグローバルに需要が拡大している。同社は、大規模浄水場に適した高耐久性・高透水性を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の大型中空糸MF膜モジュールを開発し、2002年に販売を開始した。国内では、国内最大の膜法浄水設備である東京都砧浄水場・砧下浄水所(計8.8万m3/日)をはじめとする大型浄水処理案件を受注し、海外では韓国最大の膜法浄水設備コンジュ浄水場(3.0万m3/日)にも採用が決まっている。これまでの累計造水量(受注・出荷予定案件含む)は30万m3/日に達する。今後は、北米での浄水処理用途、中東、中国での海水淡水化前処理用途、下水再利用用途への事業展開を計画している。
   一方、近年、下廃水処理の分野では、処理水質が良く、設備設置面積が小さいという利点から膜を使った生物処理技術であるMBRが注目され、需要が急速に拡大している。東レでは、MBRに適したPVDF製浸漬型平膜モジュールを開発し、2004年から本格販売を開始した。当モジュールは独自の製膜技術により、高透水性でありながら汚れにくい特性を両立させ、欧州でのパイロット実験で高い性能を実証した。
   欧米、中国、中東、アジアと、海外中心に広く事業展開を進めており、UAE(アル・アイン、1.5万m3/日)をはじめ合計170カ所のプラントで累積処理量受注・出荷予定案件含む)30万m3/日となっている。

東京都水道局砧浄水場(MF膜モジュール使用、元請施工および装置製作は水道機工株式会社)

東京都水道局砧浄水場
(MF膜モジュール使用、元請施工および
装置製作は水道機工株式会社)

   東レは日米欧3拠点体制でグローバル展開を推進してきたが、急増する中国およびその他アジア、太平洋地区での需要に応えるべく、中国では今夏に製販一体となった合弁会社を設立し営業を集約、またシンガポールにも販売拠点を構築し、グローバル体制を強化している。
   また、米国では米州地域向けに逆浸透膜の製造・販売およびUF・MF・MBR販売のトーレ・メンブレン・USA(TMUS)社を2006年に設立し、昨年4月から生産を開始した。
   一方、欧州ではスイスのトーレ・メンブレン・ヨーロッパ(TMEu)社を拠点として、UAE(ドバイ)にも事務所を構え、欧州・中東地域へのRO・UF・MF・MBRの販売を行っている。
   同社は、世界トップレベルの性能を有する「膜技術」をコア技術として、国内外の東レグループ水処理関係会社(国内:水道機工、海外:TMEu社、TMUS社、東麗繊維研究所(中国)有限公司(TFRC)等)と連携をはかりながら、膜売り事業を中心に、水処理システム事業も併せて、積極的に水処理事業を推進している。

事業基盤である膜技術のたゆまぬ研究開発

   水処理事業を支える技術集団として同社は、生産関係部署の他に社内に地球環境研究所、水処理技術部を組織し、また前述の関係会社や東レリサーチセンターとも連携して事業展開している。
   地球環境研究所では、有機合成、高分子化学、化学工学、生物工学等の研究者が融合し、新規水処理膜、新規微生物処理、先端プロセスなどの研究を進めており、各種の高性能超純水用RO膜、海水淡水化用RO膜、下廃水再利用低ファウリングRO膜、PVDF中空糸MF膜及びUF膜、MBR用PVDF浸漬型平膜などの新規製品開発を行ってきた。また、難分解性成分処理、余剰汚泥減容化、生物汚染抑制、微生物学的水質評価、先端的促進酸化など微生物・プロセス研究を進め、実績を蓄積してきている。同社は膜技術が事業の基盤であると位置付け、手を緩めずに研究を重要視している。「膜の研究を止める時は水処理事業を止める時」と経営トップは断言している。
   水処理技術部では、水処理膜関連の生産技術および品質改善の追求の他、研究で生み出された新規膜の商品化(モジュール化)、上水、下排水、海水淡水化の水処理プロセス開発などの新商品・新技術開発を進めている。同部は化学系、化工系、機械系、衛生工学系、生物系の技術者を投入し、実用化に直結した技術開発を推進している。
   また、海外においても、中国の上海にはTFRC水処理研究所を設置し、中国の水事情に合わせた水処理技術、水処理製品の研究・開発を進めていたり、シンガポールでは今秋にToray Water Technology Laboratory(TWTL)を設立し、現地大学と共同研究を行う予定だ。
   こうした研究所、技術部とともに同社は愛媛工場内の海水淡水化実験施設、滋賀工場内の浄水場実験施設、三島工場での廃水処理実証設備など十分な実液原水のある実験施設を完備している。こうしたインフラの整備も技術開発を加速している要因といえよう。

積極的に社外活動も推進し業界の活性化に貢献

   東レは関係会社との連携だけでなく、水処理関連機関とともに水処理膜の市場、同業界の活性化と繁栄を目指して社外活動に積極的に取り組んでいる。
   具体的には、世界脱塩協会〈IDA〉、アジア・太平洋脱塩協会〈APDA〉、日本脱塩協会〈JDA〉、米国膜技術協会〈AMTA〉、国際水協会〈IWA〉、米国水道協会〈AWWA〉、(社)日本水道協会(JWWA)、膜分離技術振興協会、日本膜学会、日本海水学会、(財)造水促進センター、(財)水道技術研究センター各種プロジェクトなどがあげられる。
   世界脱塩協会にはアジア・太平洋脱塩協会および日本脱塩協会・会長として同社メンバーを役員として派遣し、膜・水処理市場の拡大と日本企業のプレゼンス向上のための活動を進めている。

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