2010年2月2日火曜日

【宇宙は「量子流体」――村山斉氏が語る、超伝導体としての宇宙】: by Wired Vision

【出展引用リンク):

http://wiredvision.jp/news/201002/2010020223.html




宇宙は「量子流体」――村山斉氏が語る、超伝導体としての宇宙

2010年2月 2日
Chris Lee

宇宙の構造。Millennium Simulation, 画像はwikipedia
村山斉氏について、筆者がまず驚いたのは、人前で発表を行なう一般的な日本人のイメージと違っていたことだ。村山氏は、リラックスしていて雄弁で、そして見るからに、自身の研究に心底わくわくしていた。
日本に新設された研究機関、数物連携宇宙研究機構(IPMU)の機構長に就任した村山氏は、ほとんど何を研究しても許される立場にある。しかし、村山氏は「すべて」を研究することを選んだ。村山氏が解明しようとしているのは、なぜ宇宙が存在するのか、という問題だ。
オランダの研究財団Foundation for Fundamental Research on Matter(FOM)が主催する物理学会議『Physics@FOM』には、多様な分野から聴衆が集まっていたため、村山氏はあまり詳細には分け入らず、問題の要点を伝え、聴衆の興味をそそることに重きを置いた。暗黒物質(ダークマター)や宇宙のインフレーションなど、宇宙についてこれまでに分かっている事柄を駆け足で語る村山氏の話に、筆者も興味をそそられた。
特に村山氏の熱意を感じたのは、[四つの]力には、なぜ長距離まで及ぶものと短距離のものが存在するのかを説明しようとする問題だ。
基本的に、重力は非常に長距離まで到達する。また、電磁気力も同じくらい遠くまで到達するが、[物質が帯びている]電荷にはプラスとマイナスがあるため、どちらか一方の電荷に働く力は、反対の電荷によってさえぎられる傾向にある。したがって実質的には、電磁気力が到達する距離は限られる。それでも、重力と電磁気力の2つの到達距離は、原則的には同じだ。これに対して、強い核力と弱い核力はごく短距離の力で、原子核1個の幅に相当する距離までしか到達しない。
これら2つの力の到達距離は、重力および電磁気力のそれとなぜ異なっているのか。その理由を根本的に説明する理論は今のところ存在しない。
村山氏は、宇宙とは実のところ一種の量子流体(quantum fluid)であり、超伝導体にいくらか似たものではないかと推測している。
宇宙を超伝導体になぞらえているのは、超伝導体が磁場を排斥するという性質のためだ。超伝導体においては、電荷の配列によって、磁場の磁力線が超伝導電流の周りで屈折してしまう。[超伝導体は、超伝導体内部への外部磁場の侵入を完全に排除して内部磁場をゼロにするというマイスナー効果を持つ]
そのような超伝導体の中で、磁場を発生させようとすればどうなるだろうか。その場合、磁場の範囲はごく短距離にとどまるだろう。これは、磁場が、周囲の電荷と相互作用する結果だ。
ここに村山氏の説の手がかりがある。宇宙を、強い力および弱い力とは非常に強く相互作用するが、重力と電磁気力は無視できるような量子流体だと考えるのだ。[実際の超伝導物体中は、電荷が2の量子流体で満ちており,そのため超伝導体の中では磁力などの長距離力が短距離力に変えられてしまっている。同様に,宇宙も何らかの量子流体によって満たされており,それによって様々な現象が引き起こされているとする理論]
自然界の4つの力について、これまでに得られた知識を用いれば、この流体が持っているはずの性質のいくつかを、計算で突き止めることができる。そしてそこから、この流体が有するエネルギー量を割り出すことができる。
村山氏の説が正しいとすると、宇宙が現在有しているエネルギーは、ビッグバンにおいてこの流体を発生させるのに必要なエネルギーに、およそ10の62乗%足りないことになる。これを負債にたとえるなら、途方もなく大きなマイナスだ。
村山氏が冗談めかして言うように、われわれは常々、赤字は悪だと教え込まれている。したがって、村山氏の暗黒領域(dark field)に関する説が、推論の1つから昇格するためには、何らかの「創造的な計算」が必要になるだろう。
Physics@FOM会議の幕開けにふさわしい講演だった。
[以下は、IPMUの構想を語る村山氏の文章(PDF)から引用。「我々の知る限り宇宙は一種の「超伝導状態」になっており、そのために「弱い力」はナノメートルの更に十億分の一の距離しか届かなくなっている。この超伝導体のエネルギー密度は宇宙のエネルギー密度合計の1060倍と見積もられていて、このエネルギーがどこへ行ってしまったのかも分かっていない。何か別の寄与が60 桁にわたって正確に打ち消したのだと思われている。こうした不思議な観測事実は宇宙の新しいパラダイム、従って新しい物理学と数学を必要としている」]
{この翻訳は抄訳です}
[日本語版:ガリレオ-高橋朋子/合原弘子]
WIRED NEWS 原文(English)

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【参考リンク】: 

http://www.ipmu.jp/pdf/vision_japanese.pdf

【以下抜粋引用】

歴史を遡れる限り、人類は常に宇宙の始まり、構造、仕組み、進化について考えをめぐらせて来た。宇宙についての考察は最も古い科学であり、最も基本的な科学である。近年、革新的技術進歩と理論的枠組みの進展の結果、古来の疑問に最新科学の力で迫ることができるようになった。本拠点は、

(1) 宇宙はどうやって始まったのか?
(2) 宇宙は何でできているのか?
(3) 宇宙はこれからどうなるのか?
(4) 宇宙の基本法則は何か?
(5) 宇宙にどうして我々が存在しているのか?

という人類の究極の疑問の解明へ数学と物理学の手法を駆使して迫るものである。これらの疑問は非常に基本的で、重要かつ難しい問題である。アインシュタインが夢見て実現できなかった「統一理論」によってしか解決できないと思われている。この拠点では宇宙の統一理論に数学、物理学、天文学の三分野を融合して迫る。このような数学から実験物理学におよぶ研究所は世界に例がない。本拠点に参加する主任研究員は世界的に有名で、かつ分野をまたがって仕事をして来た者ばかりで、さらに世界中からトップレベルの研究者を共同研究者として集めることのできる魅力的な研究者である。この拠点の形成によって、新しい数学の枠組みを作り出し、詳細かつ精密な実験・
観測データを収集し、宇宙の新しいパラダイムを作り上げる。

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